スルーセブンシーズ 最後まで頑張り切れる気持ちの強さ生きる舞台、尾関師「出走できるのは光栄」
2023年9月27日 05:05 日本競馬悲願の凱旋門賞制覇へ。今年、日本から出走するのはスルーセブンシーズ(牝5)1頭。G1勝ちのない牝馬での挑戦にはいかなる意図があるのか。管理する尾関知人師(51)に聞いた。
――挑戦までの経緯を
「中山牝馬Sを勝って、次を相談している中で、ヴィクトリアマイルか宝塚記念かとなりました。体調と条件から宝塚記念に行くことになりましたが、その流れの中でオーナーサイドと“凱旋門賞という選択肢もつくりませんか?”と登録することに。そうすれば後々チャレンジができますので。そして宝塚(2着)でああいう競馬をしてくれたので、話が進展しました。この馬の競走生活はもうすぐ終わり。今年に入った時は凱旋門賞に行くとは考えなかったですが、宝塚の2着で自ら挑戦をつかみ取ってくれました」
――宝塚は世界No・1ホースであるイクイノックスを相手に素晴らしい競馬
「コース取りが厳しい中でよく頑張りました。レース後は少し回復に時間がかかりましたが、放牧先でしっかりと立て直してもらって、秋の競馬に参加できる状態になりました」
――尾関師が管理したステラウインド(フォワ賞5着、ドラール賞7着)でのフランス遠征から10年
「当時の凱旋門賞はオルフェーヴルがいました。この馬で2着に負けちゃうのか、と…。壁が厚いと感じましたが、それでもキズナが凄く頑張って4着で、少し先が見えた雰囲気も感じました。現地で見て“自分もいつか参戦したい”という思いも強くなりました。管理馬で出走できるのは光栄です」
――凱旋門賞を勝つために必要な要素とは
「タフで本当に最後まで頑張り切れる、気持ちの強さですね。ここ10年で壁にぶつかっていったのはノーザンファームさん。現地でそれほどゴツくない牝馬が走っているのを目の当たりにされて、(遠征馬が前走446キロの)この馬になった面もあると思います」
――レースでの展望は?
「前半の入りが鍵かな。折り合いはつくけど、気が入るのでそこがうまくいけば。あまりに後ろからでは厳しいし、かといって行き過ぎても駄目。この馬で勝ったことのあるルメール騎手(コンビでは新馬戦、ミモザ賞、中山牝馬Sと3戦3勝)にいい感じのところで運んでもらえれば…」