通算1058勝 秋山真 小倉でラスト騎乗「未練しかない」 ケガの影響で調教師の道へ

2024年2月23日 05:25

週末の小倉でラスト騎乗の秋山真一郎騎手

 いよいよ2月もラストウイークを迎えた。JRA通算1058勝を挙げ、調教師に転身する秋山真一郎(45)は週末の小倉でラストライドを迎える。「未練しかない」というジョッキーとして最後の雄姿を見届けよう。

 来月から調教師に転身する秋山真は騎手としてのラストライドを前にしても自然体は変わらない。「最後にみんなからいっぱい依頼が来て感謝してますよ。でも変わらず、やることは一緒。馬の全能力を出せるように頑張ります。最後って気持ちはあるけど、だからってどうこうはないかな」。

 97年のデビューからJRA通算1058勝を挙げ、G1は12年のNHKマイルC(カレンブラックヒル)と阪神JF(ローブティサージュ)の2勝。18年には史上5人目となるJRA全10場重賞制覇も達成した。輝かしい成績を残したが、20年秋に調教中の落馬で第一腰椎破裂骨折。復帰後は思うような騎乗ができず調教師転向を考えるようになった。「未練しかないですね。やっぱりジョッキーになりたくて、憧れてジョッキーになったから。そりゃ、一生ジョッキーが良かったですよ。ケガして思い通りにいかないというのを感じたし年齢とともに下手くそになってきましたからね」と悔しさもにじませる。

 ラストウイークは小倉で騎乗。「小倉は昔、長期で滞在もしていたし好きな競馬場。早くから騎乗の依頼をもらっていました」。土日で計12鞍に騎乗。日曜メイン11R・下関Sはダンツイノーバ(牝7=谷)とのコンビ。全3勝に導いた相性のいいパートナーだ。「2走前(1着)はうまくハマってくれた。ここも展開次第」と再び一発を狙う。

 騎乗最終日の25日には競馬場で引退式も行われる。「やっていただけるのはありがたいこと。初めてG1を勝った時は泣くんちゃうかなと思ったけど、それでも泣かなかった。体質なんかな。泣く練習しときますんで、最後はたぶん泣きます」と笑顔で締めくくった。鞍上の代名詞だった美しいフォームを目に焼き付けよう。

 ◇秋山 真一郎(あきやま・しんいちろう)1979年(昭54)2月9日生まれ、滋賀県出身の45歳。父・忠一さんは元騎手で元調教助手。97年、栗東・野村彰彦厩舎所属でデビュー、12年NHKマイルC(カレンブラックヒル)でG1初制覇、18年福島牝馬S(キンショーユキヒメ)で史上5人目(当時)のJRA全10場重賞制覇を達成。JRA通算1万3529戦1058勝(重賞38勝)。1メートル67、50キロ。血液型A。

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