【弥生賞】コスモキュランダ 皐月主役名乗り!アルアイン産駒重賞初制覇

2024年3月4日 05:23

弥生賞を制したコスモキュランダ。鞍上のデムーロはガッツポーズ(撮影・郡司 修)

 皐月賞トライアル「第61回弥生賞ディープインパクト記念」が3日、中山競馬場で行われ、ミルコ・デムーロ(45)騎乗の6番人気コスモキュランダが早め進出から抜け出しレースレコード(1分59秒8)で優勝。父アルアインに産駒初の重賞勝利をプレゼントした。2着シンエンペラー、3着シリウスコルトまでが皐月賞(4月14日、中山)の優先出走権を獲得した。

 まさにミルコマジック!好スタートを切ったコスモキュランダ。上々の滑り出しだったが、M・デムーロは後方9番手で待機策を取った。ここからイタリア生まれの策士の勝負勘がさえ渡る。

 1000メートル通過は60秒4。「向正面でペースが遅いと判断した。今日のレースを振り返ると前残りの馬場だったし、道中で動いた方がいいと思った」。この好判断が勝利をグッと近づけた。3角手前であっという間に2番手を確保。そこから一気にペースアップ。直線を迎えたところで主導権を握ったシリウスコルトに抜群の手応えのまま並びかけた。すぐに先頭に立つと鞍上のムチがうなる。シンエンペラーの猛追を振り払い、力強いガッツポーズを右手で決めた。

 厩舎サイドと綿密に練った作戦が見事にはまった。キャリア7戦目での重賞初制覇。管理する加藤士師は「いつも脚を余していたレース内容になっていたので、今日は思い切って前で運ぼうと」。M・デムーロもそのレースプランをきっちり遂行。良馬場発表ながらタフなコンディションで、16年マカヒキがマークしたレースレコード1分59秒9を0秒1更新する走りにつなげた。

 混戦ムードとなったクラシック戦線。骨っぽいライバルたちがそろった一戦で大金星を挙げたことにより、主役候補となったキュランダ。加藤士師も「毎回使うごとに成長してくれている。まだ幼い部分もありますが、心身共に成長が著しいです」と話し、17年に父が制した皐月賞へ「本番に向けていい競馬ができました」と父子制覇を夢見る。皐月賞4勝、あまたの名馬にまたがってきたM・デムーロ。1カ月後の中山で再び力強いガッツポーズが見られるかもしれない。

 ◆コスモキュランダ 父アルアイン 母サザンスピード(母の父サザンイメージ)21年2月23日生まれ 牡3歳 美浦・加藤士厩舎所属 馬主・ビッグレッドファーム 生産者・北海道新冠町のビッグレッドファーム 戦績7戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金6641万4000円 馬名の由来は「冠名+オーストラリア北東部の熱帯雨林。世界遺産」。

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