【大阪杯】ベラジオオペラ G1初勝利 横山和喜び爆発「しゃー!やった!」

2024年4月1日 05:28

<大阪杯>叩き合いを制したベラジオオペラ(左)(撮影・亀井 直樹) 

 トップホースへのプロローグを奏でた。「第68回大阪杯」が31日、阪神競馬場で行われた。2番人気ベラジオオペラがデビュー8走目でG1初勝利、春の古馬中距離王に輝いた。鞍上の横山和生(31)は3度目のG1V。管理する上村洋行師(50)は開業6年目、10度目の挑戦でG1初制覇を飾った。

 忘れ物を取りに来た。ベラジオオペラが2番手から抜け出し、G1初Vを決めた。スタートからスッと促して、逃げるスタニングローズを前に見る形。残り1Fで先頭に立った。外からローシャムパークがひたひたと迫ってくる。絶対に抜かせない。横山和のステッキワークに応えた。2着馬に首差をつけて、Vゴールを駆け抜けた。鞍上は喜びを解放。引き揚げてくる馬上で「しゃー!やった!えらい、よくしのぎ切った」と相棒を称えた。ひと息ついて、言葉を継いだ。

 「ダービーの悔しさを忘れなかった。この馬と一緒に勝ちたかった。本当にうれしい。操縦性が高くて、スタートも上手。3、4コーナーから馬には頑張ってもらうことになったけど、よくしのいでくれました。先生にはずっとお世話になっていますし、大きい舞台で恩返しができました」

 昨年のダービーで初めてコンビを組んだ。勝ち馬からは首+鼻+鼻差でタイム差なしの4着。わずかにこぼれ落ちた栄光から時が流れ、歓喜の景色を見た。同世代のライバル、皐月賞馬とダービー馬を破った。管理する上村師は開業6年目でG1初勝利。騎手時代の08年スプリンターズS(スリープレスナイト)に続いて調教師としてもG1を勝った。「この馬で何とかG1と思っていたので、良かったです。ダービーはみんな悔しい思いをしました。最後は頑張って、しのいでくれた。ガッツポーズが出ましたね」と喜びを伝えた。

 準備に余念がなかった。当週は週明けからずっと雨。タフな馬場を考慮、最終追い切りを水曜から木曜にスライドした。「雨の影響も心配だったので、急きょ木曜追いに。正解だったかなと思います」と信念がにじみ出た。レース当日は鞍上と密にコミュニケーション。「お昼ごろに2人で会って、僕の意見と擦り合わせたら同じ作戦だった。前が残る馬場も考慮して、あの位置になりました」。G1ジョッキー同士のキャッチボールが、ビクトリーロードを導いた。

 キャリアは8走、進化の期待が十分に持てる。「まだまだ成長する余地が残されています。今後のプランはまだ考えていないけど、馬の力を強化させて次のG1に向かいたい」と力強く結んだ。阪神競馬場の向正面に植えられた桜は満開を思い、気持ちも高揚。奇麗な花を咲かせるのはこれから。どこまで強くなるのか。4歳世代の代表として、華麗に大舞台を舞い上がる。

 ベラジオオペラ 父ロードカナロア 母エアルーティーン(母の父ハービンジャー)20年4月7日生まれ 牡4歳 栗東・上村厩舎所属 馬主・林田祥来氏 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績8戦5勝(重賞3勝目) 総獲得賞金3億9007万8000円 馬名は冠名+歌劇。

特集

2024年4月1日のニュース