【香港チャンピオンズデー】QE2制覇から世界へ飛躍する日本馬に期待

2024年4月26日 05:26

シャティン競馬場で追い切るノースブリッジ(撮影・平松さとし)

 【競馬人生劇場・平松さとし】京都競馬場で天皇賞・春(G1)がスタートを切る今週末、香港では3つのカテゴリーのG1を一斉に行うチャンピオンズデーが開催される。

 3つのレースとはすなわち1200メートルのチェアマンズスプリントプライズ、1600メートルのチャンピオンズマイル、そして2000メートルのクイーンエリザベス2世C(以下QE2)。この3レースに日本馬は8頭が出走を予定し、現地入りしている。

 その中には高松宮記念(G1)の覇者でチェアマンズスプリントに挑戦するマッドクール(牡5歳、栗東・池添学厩舎)やNHKマイルC(G1)の勝者シャンパンカラー(牡4歳、美浦・田中剛厩舎)などG1馬もいるが、個人的に注目しているのはQE2だ。

 ここに出走する日本馬はノースブリッジ(牡6歳、美浦・奥村武厩舎)、ヒシイグアス(牡8歳、美浦・堀宣行厩舎)、プログノーシス(牡6歳、栗東・中内田充正厩舎)の3頭。いずれもG1での勝ち星はない。

 しかし、過去にはルーラーシップやネオリアリズム、ウインブライトなどが同様で金星を射止めている。同舞台の香港C(G1)を15年に制したエイシンヒカリもまた、それが自身初のG1制覇だった。

 そのエイシンヒカリは翌年、フランスのイスパーン賞(G1)を勝っているし、古くはシャドウゲイトがシンガポール航空国際C(G1)を、他にもパンサラッサのドバイターフ(G1)やサウジC(G1)、これまたダートではあるがマルシュロレーヌのBCディスタフ(G1)など、日本国内でのG1を勝っていない馬が、海外で大仕事をする例の多くは中距離戦だ。日本馬が強くなったと言われて久しいが、短距離戦では香港、オセアニア勢に分があり、2400メートル路線は欧州勢の牙城を崩せない例が多いのに対し、おそらく中距離路線は日本馬が最も強いと思える傾向にある。

 今年のQE2には地元の王者ロマンチックウォリアーもいて決して楽な相手関係ではないが、同馬も昨年の香港Cは辛勝であり、ピークは過ぎた感もある。日本勢の逆転に期待したい。(フリーライター)

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