【NHKマイルC】アスコリピチェーノ切れ味絶品!復活ルメールと再コンビ 黒岩師「いい動き」

2024年5月2日 05:30

併せで追い切るアスコリピチェーノ(右)(撮影・村上大輔)

 2歳女王から3歳マイル統一王者へ。「第29回NHKマイルC」(5日、東京)の追い切りが1日、東西トレセンで行われた。桜花賞2着からの巻き返しを図るアスコリピチェーノ(牝=黒岩)は美浦Wコースの併せ馬で力強い脚さばきを披露。3月ドバイターフでの落馬負傷から、日曜東京で戦線復帰するクリストフ・ルメール(44)との再コンビも決定。昨年暮れの阪神JF以来となるG1・2勝目を狙う。同レースは2日に出走馬が確定。3日に枠順が決まる。

 圧巻の最終リハだった。アスコリピチェーノは朝一番にコース入り。向正面からシアブリス(3歳未勝利)を1馬身追走。絶好の手応えで直線に向くと内からスッと馬体を併せる。力強い踏み込みで折からの風雨を切り裂き6F(1200メートル)82秒2~ラスト1F(200メートル)11秒1。余力十分に併入した。

 「(1週前に)しっかりやって多少反動はあったが、いい動きだった」。黒岩師は納得の表情で愛馬を迎えた。その1週前追い(4月25日)は、同じWコースでの併せ馬。直線強めに追われ6F79秒4。同日同コースの一番時計をマークした。今週も馬なりとはいえ長めから負荷をかけた。桜花賞の激闘から中3週ながら「しっかりやろうというテーマ」を明確に貫いた。

 デビュー戦、新潟2歳Sと連勝して臨んだ阪神JFでG1初制覇。無敗のまま最優秀2歳牝馬のタイトルを獲得した。ひと冬を越え、さらに力を蓄えて迎えた桜花賞は1番人気。だが中団からじっくり運ぶも、4角でスムーズさを欠き2着。「力強い走りはできたものの結果が良くなかった」。初めて土をつけられた悔しさを、師は忘れていない。

 距離延長のオークスか、得意条件のマイル路線か。「気持ちが強くて操縦性が悪いわけではないので、今後も1600メートル以上のレースに機会があれば挑戦したい」と師。愛馬の底知れぬポテンシャルを感じつつも「マイルの走り自体が上手でパフォーマンスも良かったので、桜花賞の後はNHKマイルCだろうと思っていた。結果が出ているところを選択した」。昨年の最優秀2歳牡馬ジャンタルマンタルなど牡馬の強敵も居並ぶG1。「どの相手を見ても脅威に感じる」。指揮官はライバルに敬意を表した上で「体調は凄く整ったので期待して送り込みます」ときっぱり言い放った。

 桜での悔しい敗戦を糧に、また1段ギアを上げたアスコリピチェーノ。父ダイワメジャーも躍動した府中で、その切れ味を存分に見せつける。

 《史上初の牡牝最優秀2歳馬対決》昨年の最優秀2歳牝馬アスコリピチェーノと同牡馬ジャンタルマンタルが初対決。NHKマイルCで前年の牡牝最優秀2歳馬が激突するのは史上初。また、ダイワメジャー産駒は12年カレンブラックヒル、16年メジャーエンブレム、19年アドマイヤマーズで種牡馬最多となる3勝を挙げている。

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