【ヴィクトリアM】マスクトディーヴァ 誕生日Vだ!坂路単走自己ベスト 辻野師「しっかりつくれた」

2024年5月9日 05:26

力強いフットワークで坂路を駆け上がるマスクトディーヴァ

 春の最強古馬牝馬を決める「第19回ヴィクトリアマイル」の追い切りが8日、東西トレセンで行われた。前哨戦の阪神牝馬Sを快勝したマスクトディーヴァは栗東坂路を単走で力強く駆け上がり、充実ぶりをアピール。昨年の秋華賞2着以来となる2度目のG1挑戦でタイトル奪取に挑む。

 調教タイムからも過去イチの出来をアピール。マスクトディーヴァは坂路単走で4F52秒9の自己ベストをマークした。ラスト1Fで軽く仕掛けた程度だったが、ダイナミックな脚さばきを披露。1週前追いのCWコースでも5F66秒9のタイムは自己最速だった。

 辻野師は「今朝は予定より速くなったが、フォームも息の乱れもなく軽々と上がってきた。いい状態に持って来られたと実感しています」と出来に太鼓判。「前走があまりつくり込んで臨んだわけじゃなかった。今回はG1で春の目標でもあるので、しっかりつくれたかなと感じている」と前哨戦からの上積みを強調した。

 初めてのG1挑戦だった昨年の秋華賞は3冠牝馬リバティアイランドに迫る2着。今春は牝馬限定G1の当レースを目標に、マイル路線を歩んだ。今年初戦の東京新聞杯はスタートで大きく出遅れて6着に敗れたが、前走の阪神牝馬Sは好位から鋭く伸びて差し切った。「ジョッキー(モレイラ)がうまくなだめて、いいスタートを切ってくれたし彼女の瞬発力を生かせた競馬だった」と評価する。

 JRA・G1初制覇を狙う辻野師にとっても思い出の血統。父ルーラーシップは角居厩舎の助手時代に調教でまたがる機会もあった。「凄く頭のいいところやフットワークの軽さ、加速の素晴らしさはお父さんに似ている。この子の活躍でお父さんの価値、名声が上がってくれれば、うれしいしい限りです」と力を込める。

 課題のゲートも毎週、練習を繰り返してきた。「穏やかにこなしてくれるしジョッキーも前回乗って理解してくれている」と名手に託す。レース当日の12日はマスクトディーヴァの誕生日。「ファンレターをもらって知りました。今年はG1で1着を目標にやってきたし、何とかここでG1タイトルを獲らせてあげたいですね」。人馬にとって最高の記念日にしてみせる。

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