小牧太「魂の騎乗」 JRA今年初勝利が劇的有終V!小倉最終レース12番人気で会心

2024年7月22日 05:22

騎手仲間から胴上げされる小牧太(撮影・成瀬 徹)

 “魂の騎乗”で劇的ラストを飾った。小牧太は小倉12Rのモズアカボスで12番人気V。検量室前に引き揚げるとファンから大きな歓声が送られ、12R終了後のセレモニーでは多くの花束を受け取った。「最後に勝てて良かった」と喜びをかみしめて「魂の騎乗やね。言っていた通り。積極的に行こうと思っていました。並んでからは気持ちですね」と汗を拭った。

 19日にNAR(地方競馬全国協会)騎手免許試験に合格し、今月末でJRA騎手免許を返上する。来週も騎乗可能だが、小牧太は「乗らないです。乗る馬もいないしね。引っ越しの準備をします」と語り、この日がJRA騎手としてのラストライドだった。

 小牧太は85年に兵庫でデビュー。兵庫リーディングを10回獲得し、04年にJRAへ移籍した。JRA重賞も34勝を挙げている。ただ、近年は騎乗依頼が減り、昨年は未勝利。「引退しようかと思った」と振り返ったが、再び闘志に火をつけたのは3月28日にJRA交流競走で園田で騎乗した時だった。重賞の第1回ネクストスター西日本を制した際に「まだまだやれる!」の思いが湧き上がった。

 中央でのラスト騎乗が今年JRA1勝目。セレモニーでは「勝つ馬に乗ったら勝てるということです」とプライドをにじませた。兵庫、中央、そしてまた兵庫へ。史上初の再移籍となり、地方通算3440勝のレジェンドは「重賞を勝ちたかったですけどね。やっぱり横山君(横山典)には負けますね」としつつ「昔の小牧太を思いながら見ていると思うので、昔の自分に負けないような騎乗ができれば」と意気込んだ。原点の地での再出発。小牧太の騎手人生第3章が来月から始まる。

 ≪福島1R勝利後に駆けつけ 長男・加矢太「お疲れさま」≫小牧太の長男・小牧加矢太(27=音無)も福島1R(ジロー1着)での騎乗後、小倉のセレモニーに駆けつけた。「お疲れさまです。引退式ではないですし、交流でも乗るでしょうけどね。オヤジの出身地の九州で、小倉の温かい雰囲気の中、見送られていたので良かったです」と父の勇姿を目に焼きつけた。また、長女でバレットを務める小牧ひかりさんは「JRA最後の日だったので、勝ててうるっとしました。自分らしく頑張ってほしいです」とエールを送った。

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