【凱旋門賞展望】仏3歳馬ソジーが主役 日本馬唯一の参戦シンエンペラーは前走3着で評価急上昇

2024年9月30日 05:30

坂井とのコンビで凱旋門賞に挑むシンエンペラー

 さあ、凱旋門賞ウイーク!フランス伝統の一戦「第103回凱旋門賞」が6日後に迫った。地元の重要ステップを連勝中の3歳馬ソジーが主役を張る。日本から唯一、参戦する矢作厩舎シンエンペラーは前哨戦の愛チャンピオンS3着でブックメーカーの評価が急上昇。JRAの至宝・武豊はアイルランドのアルリファーとのコンビで自身11度目の凱旋門賞チャレンジとなる。日本調教馬、日本人騎手の初勝利なるか――。見どころ満載のカードだ。国内では3場開催が再開。3重賞が組まれている。

 今年は傑出馬が不在。歴代最多の凱旋門賞8勝を挙げる地元A・ファーブル厩舎のソジーを中心視する。仏ダービー3着後、パリ大賞→ニエル賞を連勝。前哨戦は2番手から抜け出し、仏ダービー馬ルックドゥヴェガにリベンジした。戦前でブックメーカー1番人気だったライバルを負かしたことで評価も上昇。道悪での好走が目立ち、この時季特有のタフなコンディションになっても不安はない。名伯楽が19年ヴァルトガイスト以来の勝利を狙う。

 日本馬延べ35頭目の挑戦となるシンエンペラーは20年の凱旋門賞勝ち馬ソットサスの全弟。日本ダービー3着以来だった愛チャンピオンSは欧州の強豪相手に3着に好走した。過去10年で3頭の勝ち馬が出ている好ステップ。兄は前哨戦4着から本番で巻き返してV。数々の偉業を成し遂げてきた“世界のYAHAGI”が日本のホースマンの夢をかなえるか。デビューから3連勝で仏ダービーを制したルックドゥヴェガも忘れてはいけない。前走のニエル賞は3カ月ぶりで押し出されて逃げる形。最後は粘り切れなかったが、使われた上積みは見込める。

 A・オブライエン厩舎の3歳ロスアンゼルスが不気味。英ダービー3着、愛ダービー1着でハイレベルな欧州の3歳世代でも能力はトップクラスだ。愛チャンピオンS(4着)からのローテもいい。武豊が騎乗するアイルランドのアルリファーも近年、凱旋門賞と相性がいいベルリン大賞勝ち馬(20年トルカータータッソ、21年アルピニスタは翌年の凱旋門賞制覇)。日本のレジェンドにとっても悲願達成のチャンスだ。

 ≪参戦公算高まる≫アークトライアルデーの15日に同舞台のヴェルメイユ賞を制し、未登録の凱旋門賞の出否が注目される英国の4歳牝馬ブルーストッキングは追加登録(登録料12万ユーロ=約1920万円)を済ませて参戦する公算が大きくなった。28日の調教を踏まえ、状態の良さを確認した上でベケット師が明言したとアットザレーシズ、レーシングTVなど英国メディアが報じている。追加登録締め切りの10月2日まで状態を見極め、最終決定の運びとなる。

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