【有馬記念】武豊×ドウデュース有終へ!“花道請負人”にインタビュー「思いに応えたい」
2024年12月16日 05:30 有馬ウイークが幕を開けた。24年中央競馬の総決算「第69回有馬記念」(22日、中山)まであと6日となった。主役は引退レースを迎えるファン投票1位のドウデュース。スターホースの関係者に迫る連載「サンクス・ドウデュース・ファイナル」もスタートする。第1回はコンビを組む武豊(55)がラストランにかける思いをスポニチ本紙に激白。有馬で劇的な有終Vに導いた90年オグリキャップ、06年ディープインパクト、17年キタサンブラックに続く勝利に挑む。
――ファン投票は1位、歴代最多の47万8415票を獲得した。
「本当に凄い馬ですよ。得票数の思いに応えたい。当日はレース後に引退式もあるので、勝てば皆さんが喜んでくれる。レースに影響はないけど(僕自身)プレッシャーはあります」
――キャリア16戦のうち14戦でコンビを組み、この秋はG1連勝に導いた。天皇賞・秋とジャパンCで、ドウデュース自身の走りと戦略の違いは?
「道中のペースや対戦相手に違いはあるけど、ドウデュースが使った脚は一緒。もちろん後ろから運ぶ戦略も一緒だった」
――11日にドウデュースの1週前追い切りに騎乗した。
「気になるところはなかったですよ。もう1年、走ってほしいぐらい(笑い)。ほんと、いい形で終わりたいし、それに向けた調整。いつもの元気とフットワークが確認できれば、それでいい」
――1着賞金5億円の有馬記念を勝てば獲得賞金は22億7587万5800円となり、歴代トップになる。
「海外の賞金は飛び抜けて、でかいのがあるじゃないですか。そこで勝っている場合は当然、賞金上位になるわけですが、ドウデュースは3度、海外に遠征(22年仏ニエル賞4着→凱旋門賞19着、23年ドバイターフは出走取消、24年ドバイターフ5着)して賞金はほぼゼロ。逆にいえば国内だけで歴代トップを狙える数字が凄いと僕は思います」
――有馬記念は自身4勝のうち、昨年のドウデュース以外の3勝がラストランでV。90年オグリキャップ、06年ディープインパクト、17年キタサンブラックと国民的スターホースを勝利に導いた。
「ディープインパクト、キタサンブラックの時と同じような気持ちで、今までやってきたことの集大成だと思っています。最後なので不利とかは受けたくないし、力を出し切りたい。ドウデュースと一緒にキャリア最高のベストレースを見せたいですね」
≪3頭目秋古馬3冠へ≫ドウデュースは天皇賞・秋、ジャパンCに続いて、有馬記念も勝てば00年テイエムオペラオー、04年ゼンノロブロイに続く史上3頭目の「秋古馬3冠」となる。武豊は99年にスペシャルウィークで秋古馬3冠に挑んだが、鼻差でグラスワンダーの2着に敗れた。レジェンドにとっても初の偉業に挑む。
≪有馬ラストラン7戦3勝≫武豊は有馬記念に過去33回騎乗。そのうちレース前に引退が発表されていたパートナーとのコンビは7回あり、3勝を挙げている。またファン投票1位の馬には8回騎乗し【3・4・0・1】の好成績。ラストランとなるファン投票1位のドウデュースも期待に応える。
【武豊と過去の有馬記念】
▽90年 芦毛の怪物オグリキャップは中団で脚をため4角でVを射程に。大声援の後押しを受けて押し切り、引退レースを奇跡の復活Vで飾った。21歳で有馬初制覇の武豊は「強さを信じていた。オグリキャップ、本当にありがとう」。17万人超のファンによるオグリコール。「僕もオグリ、オグリと口ずさんでいた」
▽06年 英雄らしいラストランだった。ディープインパクトは3~4角で一気に進出。残り250メートルで先頭に立ち、3馬身差の快勝。武豊は「凄かった。今までにない“飛び”だった。こんな感覚は味わったことがない」。レース後には引退式。「皆さんの声援が本当にうれしかった。最後まで彼らしい走りでした」
▽17年 “有終の祭り”だった。逃げたキタサンブラックが持ち味のしぶとさを発揮して押し切った。武豊は「僕の騎手人生がいつか終わる日が来て、振り返った時に今年の有馬記念はクローズアップされるかもしれないですね」。レース後にはお別れセレモニーが行われ北島三郎オーナーが「まつり」を熱唱した。