【有馬記念】打倒武豊×ドウデュース!ルメールが選んだ新星アーバンシック

2024年12月18日 05:30

アーバンシックと菊花賞を制し、ガッツポーズをするC・ルメール(撮影・平嶋 理子)

 有終ドウデュースに待った!!24年中央競馬の総決算「第69回有馬記念」(22日、中山)まであと4日。大団円を目指す武豊の前に立ちふさがるのは、暮れのグランプリ3勝の名手クリストフ・ルメール(45)だ。05年にはハーツクライでディープインパクト、16年にはサトノダイヤモンドでキタサンブラックと武豊騎乗の人気馬を撃破してきた。今年は菊花賞馬アーバンシックで逆転に手応えありだ。 

 「ルメール不足」。今年、ネット上で大いに盛り上がったワードだ。競馬ファンが選ぶ流行語大賞があるなら、24年の最有力候補に挙げられたはず。

 今年の中央競馬もルメールの存在感が際立った。先週も5勝を挙げ172勝。2年連続7度目の騎手リーディングを事実上確定させている。「いい馬にたくさん乗せてもらってるからね。感謝しています」と謙虚に笑ったが、鼻高々だ。

 今年のG1はオークス、秋華賞(ともにチェルヴィニア)、菊花賞(アーバンシック)の3勝。昨年の7勝に比べれば物足りなかったが、ビッグレースでは常に声がかかる。あらゆるレースが彼を中心に回っていた。

 「ルメール不足」を実感させたのが、10月の菊花賞。前走で手綱を取っていた馬が1~3着を独占。選んだアーバンシックが鮮やかに突き抜け、戸崎に乗り替わったヘデントールは2着。武豊に渡ったアドマイヤテラが3着。有馬V経験のある名手も完全な引き立て役となってしまった。

 「ルメール不足」は今年の有馬記念も同様。昨年彼が騎乗しドウデュースに肉薄したスターズオンアースは川田、反撃を期すレガレイラも戸崎に手綱を譲る。米G1・BCターフでコンビを組んだローシャムパークともお別れだ。結果的に選んだのが菊花賞馬アーバンシック。セントライト記念、菊花賞で手の内に入れ、ぞっこんの様子。有馬記念は「特別なレースで特殊なコース。(枠順)抽選が大事」と前置きした上で手応えを語った。

 「中山は何回も使っているし、スタミナもあるから2500メートルはちょうどいい。秋からグッと良くなり、気性的にも成長。乗りやすくなった。古馬とやるにはレベルアップが必要になるけど、この馬も力をつけている」

 もちろんライバルには大本命馬を挙げた。「ドウデュースは素晴らしい馬。負かすのは非常に難しいけど、僕の馬にもチャンスはある。自信を持って乗る。恐らくドウデュースの近くからの競馬になるかな」

 過去10年の有馬でルメールは【2・3・2・2】(14年は不出場)。3着内率は驚異の・778を誇る。「一年最後のG1。有馬記念とホープフルSは何としても結果が欲しい」と貪欲だ。名手が再び「選んだ」3歳の新星が王者ドウデュースに真っ向勝負を挑む。

 《武井師全幅の信頼》アーバンシックを管理する武井師もルメールの手腕を評価する。「実際はかなり難しい馬だが、クリストフは最初から“乗りやすい馬”と言ってくれた。3歳馬は乗馬の世界だとまだ調教も始めていない時期。何かしら人に頼る必要があるが、彼は馬の意識を人に集中させられる。単純に馬乗りがうまい。彼が乗った馬は返し馬から凄くいい走りになる」と、全幅の信頼で愛馬の手綱を任せる。

 《武豊のディープ&キタサン撃破に続く!》ルメールは05年有馬記念をハーツクライで制しJRA・G1初制覇。当時7戦無敗だった武豊騎乗の3冠馬ディープインパクト(2着)に、初めて土をつける大金星だった。16年は同年菊花賞馬サトノダイヤモンドでV。前年菊花賞馬で同じく武豊騎乗だったキタサンブラックを首差で捉えた。

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