【小倉牝馬S】新設重賞でいきなり珍事!フェアエールング&シンティレーションが同着重賞初V!

2025年1月26日 04:30

小倉牝馬Sでシンティレーション(左)とフェアエールングが1着同着 (撮影・成瀬徹)

 内か外か――。冬の小倉開催が開幕した25日、初日メインの新設重賞「第1回小倉牝馬S」はハンデ戦らしく直線、壮絶な追い比べ。丹内祐次(39)騎乗フェアエールング、杉原誠人(32)騎乗シンティレーションが同時にゴールに飛び込んだ。写真判定の末、1着同着で2頭ともに重賞初制覇。3着にコガネノソラが入り、関東馬ワンツースリーとなった。

 絶対に譲れない――。内から抜け出したシンティレーション、外から追いかけるフェアエールング。意地と意地がぶつかり合った。検量室前に引き揚げてくるとフェアエールングが1着用、シンティレーションが2着用の枠場へ。長い写真判定の末、掲示板の1着ゾーンに3、7と2頭の馬番が並ぶと丹内、杉原はともに安どの表情を浮かべた。

 フェアエールングは丹内とのコンビで3度目の重賞挑戦。前走福島記念は牡馬相手に後方から追い込み、2着に食い込んだ。牝馬限定に切り替え、タイトル奪取。「(ゴールした瞬間)勝っていると思いました。難しい馬だけど先生(和田正師)と考えながらやってきて、結果を出せて良かったです」と喜びをかみしめた。

 道中は中団で折り合いに専念。1番人気クイーンズウォークを見ながら絶好のポジションに収まった。ライバルを目標に定め、直線は馬場の真ん中から豪快に脚を伸ばした。鞍上は「(ペースが)流れた分、いつもより脚がたまっている感じではなかったが長く脚を使ってくれました」と殊勲のパートナーを称えた。
 シンティレーションは杉原と初コンビ。栗東滞在の最終追いで感触を確かめていた。「騎乗依頼を頂けて、うれしかったし、結果を出せて良かったです」と感謝を口にした。位置取りは後方のイン。馬場の奇麗な内側から末脚を引き出した。「ゴールの瞬間は負けたと思いました。馬の執念で最後の最後に頭を下げてくれたんだと思います」と力走をねぎらった。

 記念すべき新設重賞で2頭ともに重賞初制覇。丹内も杉原も「なかなか経験することができないので良かった」と口をそろえた。21年チューリップ賞(エリザベスタワー&メイケイエール)以来、12度目のJRA重賞1着同着。小倉の歴史に残る名勝負となった。

 ◆フェアエールング 父ゴールドシップ 母マイネポリーヌ(母の父スペシャルウィーク)20年3月18日生まれ 牝5歳 美浦・和田正厩舎所属 馬主・サラブレッドクラブ・ラフィアン 生産者・北海道新冠町のビッグレッドファーム 戦績17戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億10万8500円 馬名の由来は尊敬(ドイツ語)。

 ◆シンティレーション 父ロードカナロア 母ファシネートダイア(母の父アグネスタキオン)19年1月15日生まれ 牝6歳 美浦・池上厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績16戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億3312万5500円 馬名の由来は閃(せん)光(母名より連想)。

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