【日経賞】5歳春“開花”マイネルエンペラー G1馬封じ重賞初制覇 勢いに乗って盾獲りへ

2025年3月30日 05:15

<中山11R・日経賞>レースを制したマイネルエンペラー(左)。右は2着・チャックネイト(撮影・村上 大輔)

 伝統の古馬G2「第73回日経賞」が29日、中山競馬場で行われ、2番人気マイネルエンペラーが重賞初勝利。天皇賞・春(5月4日、京都)への優先出走権を獲得した。初コンビでVへと導いた丹内祐次(39)は小倉牝馬S(フェアエールング)、小倉大賞典(ロングラン)に次いで今年重賞3勝目となった。

 花冷えの中山。肌を刺すような寒風が吹く中、マイネルエンペラーが堂々と検量室前へ帰還した。「乗りやすいと聞いていたので不安はなかった。課題?特にありません。上の舞台でも勝負になると思う」。好騎乗の丹内からは称賛の言葉が並んだ。

 スタートを決めると、鞍上に促されて好位へ。3番手外で折り合うと、道中は自分のリズムを守った。2周目3角からスパート開始。直線半ばで粘る前2頭をかわすと、チャックネイト、アーバンシックの追い上げをしのいだ。重賞馬も、G1馬も封じて手にした価値ある初タイトル。清水久師は「いい手応えで直線を向いたし、こういう馬場だったので押し切ってくれないかと思っていた」と笑顔で振り返った。

 父はG1・6勝ゴールドシップ、全姉に21年オークスを制したユーバーレーベンがいる良血馬は一戦ごとに力をつけた。昨年12月、キャリア18戦目のオリオンSを制してオープン入り。前走日経新春杯は3着に食い込んだ。「血統馬なのでね。時間はかかりましたけど、これからですね」。指揮官は安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 今後は優先出走権を手にした天皇賞・春が視野に入る。「引っかかるところもなく操縦性もいいので(距離は)問題ない」と師。丹内は「次の騎乗依頼をキリンさんになって(首を長くして)待っています」とコンビ継続を切望する。充実の5歳春。さらなる大舞台へ最高の形で弾みをつけた。

 ◆マイネルエンペラー 父ゴールドシップ 母マイネテレジア(母の父ロージズインメイ)20年3月13日生まれ 牡5歳 栗東・清水久厩舎所属 馬主・サラブレッドクラブ・ラフィアン 生産者・北海道新冠町のビッグレッドファーム 戦績20戦5勝(重賞初制覇) 総獲得賞金1億7258万2000円 馬名の由来は冠名+皇帝。

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