【中山GJ】エコロデュエル J・G1レコードV!草野号泣「馬の良さを全て出せた」

2025年4月20日 04:25

中山GJを制した(7)エコロデュエル。最終障害飛越でバランスを崩すもなんとか踏ん張る鞍上の草野 (撮影・村上 大輔)

 春の最強ジャンパー決定戦J・G1「第27回中山グランドジャンプ」が19日、中山競馬場で行われ、5番人気エコロデュエル(牡6)が強気のスパートでV。草野太郎(36)、岩戸孝樹師(58)は共にJ・G1初制覇となった。今年は例年より10メートル長いCコースで開催され、従来の記録(基準タイム)を1秒1更新するコースレコード4分50秒5での決着となった。

 ライバル11頭、そして自分自身に打ち勝った。殊勲のエコロデュエルの馬上でおえつが止まらない草野。デビューから19年、憧れ続けた光景は相棒を信じ抜いた先に待っていた。草野は「泣いちゃいました。ここ2年はケガ(昨年は落馬による骨折)で乗れなかったので。先輩たちが勝つ姿を見てきて“いつか自分も”と思っていた」と放心気味に語った。

 胸にあったのは消極的な運びとなった前走・阪神SJ(4着)の騎乗。その後悔を振り払うように、この日はラストの向正面を迎える前にスパートをかけた。グングンと開いていく後続との差。共に上がったジューンベロシティは3角付近で失速するが、デュエルの勢いに陰りはない。直線は独走態勢。最終障害でよろけるシーンはあったが、8馬身離した後続につかまる心配はなかった。草野は「後ろは見ずにスタミナを全部出し切ろうと思っていた。この馬の良さを全て出せたと思う」と汗を拭った。

 感無量の様子だったのは岩戸師も同じだ。レース前は入念な打ち合わせを重ね、草野に勇気の大切さを説いた。「強気に行って消耗戦に持ち込もうと。“おまえはうまいんだからあとは気持ちだけだ”と伝えた。馬の能力を信じた、いい騎乗でした。今日は気合勝ちです。泣きそうでした」と頬を緩めた。次戦は未定だが、次の大目標はもちろん暮れの中山大障害(12月27日、中山)。勇気を貫いた人馬が大きな壁を飛び越えた。

 ◆エコロデュエル 父キタサンブラック 母クラリネット(母の父ジャイアンツコーズウェイ)19年5月4日生まれ 牡6歳 美浦・岩戸厩舎所属 馬主・原村正紀氏 生産者・北海道日高町の下河辺牧場 戦績22戦5勝(うち障害は12戦4勝、重賞2勝目) 総獲得賞金2億2433万円 馬名の由来は冠名+決闘。

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