【ヴィクトリアM】アスコリピチェーノ豪快加速力!馬なりでWコース自己ベスト6F79秒1

2025年5月15日 05:23

3頭併せ併せで追い切るアスコリピチェーノ(右)(撮影・村上大輔)

 牝馬G1「第20回ヴィクトリアマイル」の追い切りが14日、東西トレセンで行われた。美浦ではアスコリピチェーノがWコースでの自己最速タイム(6F)をマークし絶好調をアピール。サウジアラビアの前走で海外初Vを飾った勢いそのままにマイル女王へ突き進む。

 これがG1馬。アスコリピチェーノはWコースで3頭併せ。道中は先頭から5馬身、2番手から2馬身離れた最後方を追走。ピタリと折り合い、いつでもはじけそうな手応えで直線は最内へ。馬なりでグングン加速すると中シアブリス(4歳1勝クラス)、外ラテラルシンキング(5歳2勝クラス)を並ぶ間もなく突き放した。6F79秒1は自己ベストにして、14日の美浦Wコースで3位の好タイム。ラスト1Fも11秒2と最後までしっかり伸びた。黒岩師は「調整過程はいつもと変わらず、不安なく順調。良い状態で送り出せると思う」と納得の表情を浮かべた。

 1週前はWコースでいっぱいに追われ6F82秒4~1F11秒0。指揮官は「先週はまだ走りであったり息遣い、前向きさで良化の余地がある感じだった。まだ一段、上がありそうだと思っていた」と振り返る。馬なりのまま先週のタイムを大きく上回り、動きも含めた良化は明らか。「全体的に上積みできていた」と愛馬の上昇気配に手応えをつかんでいる。

 経験を重ねてたくましくなった。昨秋にオーストラリアの高額賞金レース・ゴールデンイーグルに出走。初の海外遠征は12着に大敗したが、苦い経験は大きな糧となった。続いて遠征したサウジアラビア・1351ターフスプリントであっさり海外初V。指揮官は「元々、適応能力が高い馬だったが遠征を経て、馬に落ち着きが出てきたと思う。食事の量を保つのもそうだし、気負うこともなくなったことで、攻め馬では質の高さを出せるようになってきた」と愛馬の成長を称える。

 23年阪神JFでG1初制覇を飾ると、昨年は桜花賞&NHKマイルCで2着。秋には京成杯オータムハンデを制すなどマイルは【3・2・0・0】とパーフェクト連対。今回は「ベストな条件」の東京マイルが舞台になる。「ここをしっかり勝ち切って、この先の大きなレースにつなげていきたい」。師の言葉には勝利への貪欲な思いがにじむ。春の目標に定めた大一番。マイル女王の勲章は譲れない。

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