牡馬イチ推しはベレシート 牝馬は白毛馬マルガ 夏デビュー期待の2歳馬を今年もピックアップ
2025年9月9日 05:30 今年も走る2歳馬、教えます。2歳戦全レースで印を打つ東西本社予想の高木と坂田が牡牝5頭をピックアップ。昨年はダービー馬クロワデュノール、オークス馬カムニャックを横綱に指名した目利き2人の格付けに注目だ。また、東西前線記者10人が厳選イチ推し馬をド~ンと公開。センスのある選択をするのは誰?大舞台へ向けて、しっかりと頭に入れておこう。
【牝馬】
1戦1勝の白毛馬マルガを横綱に指名する。デビュー前から注目度が抜群に高く、新馬戦の単勝は1・1倍。スピードの違いでハナに立つと直線、危なげなく突き放した。勝ち時計1分48秒1で函館芝1800メートルの2歳コースレコードを0秒2更新。時計が出やすい馬場だったことを踏まえても、かなりの素質を感じさせた。半姉にソダシ、ママコチャと2頭のG1馬がいて血統的にも折り紙付き。暮れの阪神JF、来春の桜花賞での活躍が見込める。
大関は札幌2歳S3着スマートプリエール。格付け上の違いはあるが、横綱と大差なく将来性が高い。母スマートレイアーの重賞4勝は全て古馬になってから。きょうだいを見ても使いつつ頭角を現す傾向が強く、現時点でこれだけのパフォーマンスができるあたり超大物の可能性がある。
関東馬ではドリームコアがイチ推しで関脇とした。東京マイルの新馬戦はゆったりした流れからラスト3Fを全て11秒台にまとめて快勝。母ノームコア、叔母クロノジェネシスがG1馬で母系も優秀だ。小結のフェスティバルヒル、前頭のスターアニスはそれぞれ重賞で好走。順調に成長すれば先々、楽しみだ。
【牡馬】
実は翌年のダービー馬予想は得意。昨年当欄のクロワデュノール、23年元日予想のタスティエーラは、共に新馬戦V直後にダービー馬に指名していた。今年はベレシートに最上位評価を与えたい。母は20、21年宝塚記念、20年有馬記念でグランプリレース3勝の名牝クロノジェネシス。菊花賞馬の父エピファネイアとの配合なら、距離延長が壁となりやすいクラシック戦線にも自信を持って臨める。小倉芝1800メートルの新馬戦は痛恨の出遅れ。前半5F64秒8というスローペースでは絶望的な位置取りとなったが、2位に0秒7差の上がり3F34秒5で豪快に差し切った。小倉の新馬戦をロングスパートで勝利したドウデュース(22年ダービーV)のような勝ちっぷりだった。2着馬ロードフィレールは次戦で4馬身差V。他にも調教で動いていた馬が多く、レースレベルも高かった印象だ。所有するサンデーレーシング&所属する斉藤崇厩舎は今年のダービー馬クロワデュノールと同じ。来春に向けて理想的な上昇カーブを描けるはず。
2番手はモノポリオ。7頭の姉が全て勝ち上がり、1つ上のショウナンザナドゥは今年のフィリーズRを勝利。本馬は東京芝1800メートルの新馬戦を余裕たっぷりの差し切り。締まった流れで脚をため、勝負どころでの反応は見事だった。父リアルスティール(15年皐月賞2着、ダービー4着、菊花賞2着)が、わずかに届かなかったクラシックタイトルを意識できる好素材だ。
【東西記者10人の厳選馬】
▼万哲 マルガ(牝=須貝、父モーリス)
逸材多数の今夏函館組でも白毛馬マルガは飛び抜けていた。余力十分のレコードV。四肢の可動域が大きく、走りがとにかく軽やか。姉ソダシも現地函館の新馬Vに立ち会えたが、姉以上の大物かも!!
▼オサム ミスティックレナン(牡=上村、父クラックスマン)
アイルランド産のクラックスマン産駒。父は23年凱旋門賞馬エースインパクトを出した。札幌芝10Fの新馬戦はハナを切って2馬身半差V。勝ちっぷりが良かった。控えても脚を使えそうで、かなり奥がある。
▼出田 スマートプリエール(牝=大久保、父エピファネイア)
坂田助手いわく「古馬みたいな風格」。札幌2歳Sは勝ち馬の切れに屈したが、まだまだ成長途上。重賞4勝の母スマートレイアーは3歳4月の遅咲きデビューで秋華賞2着。母が届かなかった夢の続きを!!
▼新谷 マルガ(牝=須貝、父モーリス)
来春を意識させる素質馬が数多くデビューした。その中でもマルガの勝ちっぷりは強烈なインパクトだ。デビュー前からキラリと光る動き。芝の実戦で、さらに良さが出た。G13勝の半姉ソダシ超えを期待。
▼栗林 ショウナンガルフ(牡=須貝、父ハービンジャー)
厩舎の期待に応え、函館新馬戦は7馬身差V。札幌2歳Sは緩い流れでジーネキングが逃げ粘る中、後方から桁違いの脚で差した。まだまだ成長途上。来春はさらに進化を遂げ、クラシック戦線で主役を張る。
▼面来 ショウナンガルフ(牡=須貝、父ハービンジャー)
7馬身差Vの新馬戦から挑んだ札幌2歳S。開催最終週の荒れ馬場を苦にせず、大外をぶん回して地力で差し切った。師が潜在能力の高さに舌を巻く一頭。厩舎の先輩馬も出世レースからクラシックへ。ガルフも続く。
▼田井 ロックターミガン(牡=石坂、父シスキン)
逸材が集った新馬戦は後半5F58秒0のロングスパート対決になったが、悠々と差し切り勝ち。「スタミナが相当ある」という陣営の見立て通りの内容だった。早熟性にも富むシスキン産駒。皐月賞の大本命だ。
▼悠貴 モノポリオ(牡=森一、父リアルスティール)
新馬戦(東京芝9F)のパフォーマンスが圧巻だった。操縦性が高く、フットワークも軽快。タイムも1分47秒8と優秀だった。きょうだいと違って気性面の不安がないのも魅力。クラシックを狙える逸材だ。
▼後藤 ロックターミガン(牡=石坂、父シスキン)
デビュー戦のパフォーマンスが秀逸だった。中盤以降、11秒台のラップが並ぶタフな展開を好位で運んで楽々押し切り。心肺機能の高さは一目瞭然だった。いかにも皐月賞が合いそうなタイプ。飛躍が楽しみだ。
▼田村 チュウワカーネギー(牡=大久保、父モーリス)
世代最初の新馬戦を制した。好スタートから逃げ切りで後続を完封。2、4着馬は次戦で勝ち上がっているからレベルも高い。母は米G1の16年アメリカンオークス馬。血統の魅力も十分で既に完成されている。