【大井】新人・杉山&フジユージーン名コンビ誕生の予感
2025年11月14日 05:00 【大いに気になる!】24年度岩手競馬年度代表馬フジユージーン(牡4=大井・岡野)が11日のトパーズ賞(3歳上オープン、1400メートル)で大井移籍2戦目に挑んだ。厩舎所属の新人・杉山海波(みなみ、19)が移籍初戦のマイルグランプリ(11着)に続き騎乗。9番手で迎えた3角で大外からグングンと上昇すると、直線も力強く伸びて勝ち馬から0秒2差の3着まで追い上げた。ゴールまで出色の脚。見せ場なく大敗した前走を思えば大幅な進歩だ。杉山も「可能性を感じさせてくれるレースだった」と前向きだった。
名コンビ誕生の予感がする。杉山は中学時代、騎手を目指して静岡県御殿場市にあるフジファームで修業。そこにオーナー(名義は富士ファーム)としてセリで購入したデビュー前のフジユージーンがいた。同馬の育成にも携わった杉山は晴れて地方競馬教養センターに入学。オーナーの高校の後輩である岡野師の下で憧れの騎手デビューを果たした。その直後に「家族のような存在」(杉山)と思い入れの深いフジユージーンと再会を果たし、手綱を任された。まるでドラマのような展開だ。それでも主演は至って冷静。「(TBS系日曜劇場)ザ・ロイヤルファミリーみたいにすぐ勝てるわけではないですから」と目先の1勝を追い求める様子はない。「見た人に“つかまっていただけで勝てたな”なんて言われないように、フジユージーンと一緒に成長していきたい」。人馬共に可能性の塊。山あり谷ありの長編ドラマを期待する。(大沢 太久)
