佐々木大輔に感じたルメールとの共通点 昨年81勝 成長著しい22歳

2026年1月28日 05:28

デビューから順調に勝ち星を伸ばす佐々木

 日々トレセンや競馬場など現場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は美浦取材班の菊地一(23)が担当。昨年キャリアハイの81勝をマークした美浦のホープ・佐々木大輔(22)に聞いた。レースに向けた準備は、いかにして行うのかを。

 競馬記者になって、まもなく4カ月。印象に残っているのは、マスカレードボールで天皇賞・秋を制したルメールがレース後に発した「秋から大人になりましたし、強くなりました」という言葉だ。テン乗りにもかかわらず、馬の成長を把握しているのか!?と驚いた。そこで浮かんだ疑問は「テン乗りの馬への理解度とアプローチの仕方」。この疑問を解決すべく、新進気鋭の若手ジョッキー・佐々木大輔に尋ねた。

 佐々木は言う。基本的な本番前の準備は過去のレース映像を見返すことだというが、テン乗りの際は「調教に乗ったことがあるかどうかで変わります」。追い切りに騎乗すれば「ある程度の特徴をつかめる」というが、レースで初めて乗る場合はそうはいかない。注意しているのは「変な先入観なく騎乗すること」だといい、「馬によりますけど、いいイメージだけを持っていくために勝ったレースだけを見ることが多いです。マイナスなイメージを持ち過ぎないように乗れたらなと思っています」と明かした。

 実は、ルメールは昨年の天皇賞・秋のレース後に「プランはありませんでした」と語っている。オークスからの継続騎乗で秋華賞を制したエンブロイダリーのレース前は「京都2000メートルは合うと思う。前々で運べれば」などと話していたので、違いは一目瞭然だ。佐々木とルメールの共通点は、実際に乗ってみての感覚を重視しているという点か。“先入観を持って騎乗しない”ということが、テン乗りで結果を出す一つの秘訣(ひけつ)なのかもしれない。

 ちなみに、記者は「これまでのレース中にマスカレードボールをしっかり観察していたから、ルメールはテン乗りでも“強くなりました”と言えたのではないか?」と考えていたので、佐々木にレース中に他の馬の動向を見ているのか聞いてみた。すると、答えは「見えていますよ」。佐々木は札幌、函館でのレースを例に挙げて「北海道だと、次のレースもメンバーがそんなに変わらないことが多いので、一緒に乗っていて“この馬はこうだから、次はこうだろう”みたいに考えている」と説明してくれた。現地に滞在し、続戦することが多い札幌、函館では、他馬への理解度がより重要になってくるという。デビュー2年目の23年に史上最年少(19歳)で函館リーディングを獲得し、翌24年も函館リーディング3位。そして昨年は札幌リーディング3位と、北の大地で毎年活躍しているヒントはここに隠されていた。

 デビューしてから9→68→77→81と順調に勝ち星を伸ばしており、昨年はインビンシブルパパで初の海外遠征(BCターフスプリント)も経験した。そんな美浦のホープには、初のG1制覇や年間100勝などへの期待も高まる。成長著しい22歳から目が離せない。

 ◇佐々木 大輔(ささき・だいすけ)2003年(平15)11月24日生まれ、茨城県出身の22歳。22年3月に美浦・菊川厩舎所属でデビュー。同年4月10日の中山8R(スイートカルデア)で初勝利を挙げた。24年函館2歳S(サトノカルナバル)で重賞初制覇。JRA通算2773戦240勝(重賞6勝)。1メートル62、47キロ。血液型A。

 ◇菊地 一(きくち・いち)2002年(平14)3月25日生まれ、東京都出身の23歳。ディープインパクトと生年月日が一緒。趣味は野球観戦、ゴルフ、料理。小学1年から高校3年まで野球部に所属。大学で競馬に目覚め、4年時は東京、中山の全G1を現地観戦。 

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