万哲 ババより怖いアルマダ/安田記念

2008年6月4日 06:00

白井のダートコースで調教を行うアルマダ

 万哲こと小田哲也記者がG1ウイークにお届けする万哲ワールド。安田記念では来日して国際厩舎で調教を進める香港3騎に注目した。万哲の注目はG1・5連勝中のグッドババではなく、アルマダだ。

 ディープスカイの拍子抜けするほどの強さに、ため息のダービー。それにしても今春のG1は荒れすぎ。「JRAプレミアム」の威力はあったはずなのに、ダービーの売上金が前年比約10%ダウンしたのは的中の難しさと無縁でないと思う。ま、嘆いても始まらない。一発逆転が穴党の使命。3日は眠い目をこすり、千葉県白井市の競馬学校へ。安田記念の香港馬3頭の“敵情視察”というわけだ。
 初来日のアルマダはどうしても一度、生で見たかった。先月29日の計量で501キロの体重が示す通り、いかにもパワフル。すぐ前を走るほぼ同体重のグッドババ(29日で495キロ)が何度も尻っぱねし、細いぐらいに見せるのとは対照的。ダートの外ラチ沿いを4F60秒2~3F43秒1~1F13秒8と馬任せに気持ち良さそうに駆けた。何より日本の環境に溶け込んでいるのがいい。先月31日にも4F61秒2~1F13秒3(馬なり)。同行したリン攻馬手は「食欲も旺盛。性格もおとなしいので、順調に調整できてます」という。調べると、06年12月の香港マイル(2着=優勝馬ザデューク)では1分33秒4の好時計を記録。当面の敵グッドババに3連敗中だが、日本特有の高速馬場の適性もあるようだ。香港勢では、ほぼ2番人気。日本馬も含めれば、5~7番人気あたり?日本でおなじみの主戦ホワイトが来日する以上、お買い得ではないか?
 一時、安田記念は回避の可能性が高いと伝えられたグッドババは「白井では強めはやらない」(ホイ攻馬手)と予定通りの軽め。ただ、テンションが少々高いのが気になる。昨年、安田記念(7着)で来日した以外はすべて地元・香港での競馬。環境の変化に弱い可能性は捨てきれない。対照的に古豪ブリッシュラックは3度目の来日。さすがに堂々としている。こちらは年齢との闘いか!?
 迎え撃つ日本勢がまた充実。昨秋マイルCS2、3着のスーパーホーネット、スズカフェニックス。ここ一本に絞ったエアシェイディあたりも何とも不気味。思えば、06年マイルCSから「マイルG1・3連覇」のダイワメジャーにずっと◎を打ち続け、逃さずにきたこの路線。メジャーの後継者は日本馬であってほしいという願いと、香港馬の怖さが交錯している。(小田 哲也)

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2008年6月4日のニュース