順調さ欠く無敗の2冠馬ビッグブラウン
2008年6月4日 06:00 【合田直弘の海外ターフ事情】30年ぶりの3冠達成なるか。未曾有の3兄(姉)弟3連覇か。世紀の決戦と言われるベルモントSが今週土曜日(日本時間日曜日朝)に迫った。
5月10日のピーターパンS快勝後、目立った時計を出していないため、現地関係者の間では「調教が軽い」との声も聞こえているカジノドライヴ。だが、調教前と調教後に、それぞれ早いテンポで1時間並足を行う「藤沢流」の仕上げを施され、すこぶる順調に来ている。現地水曜日朝に強めを追われる予定で、これが最終追い切りとなるもようだ。
左前脚に発症した裂蹄のため、5月24日から3日間にわたって馬場入りを休んだ2冠馬ビッグブラウン。裂蹄は昨秋にも患った持病のために心配されたが、蹄の専門家による治療を受けて27日から馬場入りを再開している。管理するダトロー師は、7日までには100%の状態に持っていけると強気の発言を繰り返す一方、レース当日は、アクリルとガラス繊維でできた特殊なパッチを蹄に装着して出走する手はずを整えている。
天気さえ良ければ、スマーティージョーンズが3冠に挑んだ04年につくられた12万139人という入場人員記録が破られるのは確実と言われている今年のベルモントS。日本時間の日曜朝7時からのグリーンチャンネルでの生中継に、ぜひご注目いただきたい。(競馬評論家)