紅一点!白一点!ユキチャン一点!/JDD

2008年7月9日 06:00

調教を終え、あじさいの咲く馬道のそばを通り厩舎に戻るユキチャン

 強さを兼ね備えたアイドルが夜のTCKで疾駆する!白毛初の重賞馬ユキチャンの参戦で盛り上がりを見せる3歳ダートチャンピオン決定戦「第10回ジャパンダートダービー」は9日、東京・大井競馬場でゲートイン。紅一点ユキチャンが再び快挙を達成するか全国の注目が集まる。

 川崎の夜を熱狂させた純白のアイドルが、今度は大井のG1舞台に登場する。関東オークスで白毛馬初の重賞制覇を飾ったユキチャン。それもレース史上最速タイムで8馬身差という文句なしの内容。今や珍しい白毛というだけでなく、実力でも注目される存在だ。
 驚かされるのは毛色だけではない。肉体的にも、経験豊富な理論派トレーナーの“常識”を覆す馬だという。「サラブレッドは良くなると、筋肉で肌がパンパンに張って硬そうに見えるもの。ところが、この馬はフニャフニャして柔らかいまま。結果を出しているんだから、これでいいと考えるしかない」と後藤師。
 運動能力も規格外だ。激走から中2週で疲れが気になるところだが、5日の最終追い切りでは併走馬を馬なりで3馬身突き放す圧巻の動き。長く美浦トレセンの“調教横綱”に君臨したG1・5勝馬ダイワメジャーをほうふつさせる、ド迫力の稽古を連発している。後藤師も「やっぱり大物なのかな。体調はさらにアップ」と舌を巻く充実ぶりだ。
 右回りは手前の替え方がぎごちないというのが唯一の課題だったが、5日の追い切りは右回りのポリトラック。「ブリンカーを外したためか、スムーズに手前も替えていた」(同師)とあっさり不安は解消した。今回はレースでもブリンカーは装着せず、シャドーロールだけで望む予定だ。
 圧倒的な強さでダート4戦全勝のサクセスブロッケンは高い壁となる。ただ、同馬には芝のダービーを使った影響、地方の馬場が初めて、距離が微妙…などの不確定要素も。スキのなさという意味ではユキチャンが一歩リードと映る。
 レース前日の8日は角馬場で体をほぐした後、北Cコース(ダート)でキャンター1周の最終調整。「これほど素晴らしい状態でG1に出せるなんて、めったにないこと。相手は強くても、今回挑戦しないでいつするんだ?という感じ」と後藤師。3歳ダート最強馬の座につく資格は十分。白毛馬初のG1Vの期待は高まるばかりだ。

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2008年7月9日のニュース