【朝日杯FS】“鉄の馬2世”アポロンが2歳王者だ
2009年12月15日 06:00 【1頭両断】2歳王者を決める「第61回朝日杯フューチュリティS」が今週のメーン。「1頭両断」ではステップレースの京王杯2歳Sを勝ったエイシンアポロンを取り上げた。父ジャイアンツコーズウェー譲りの能力の高さで高性能マル外がG1タイトルゲットなるか――。
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エイシンアポロンは“鉄の馬2世”だ。この馬の父ジャイアンツコーズウェーは「アイアンホース(鉄の馬)」の異名を取り、20世紀最後の年を彩った。わずか3カ月間で芝G1・5連勝。引退レースで初ダートに挑み、世界最高峰のG1ブリーダーズカップクラシックで首差2着というスーパーホース。
わずか重賞1勝の息子を偉大な父になぞらえるのは、まずそのタフさ。使いながら着実に力をつけてきた。8月デビューから月1走ペースで休むことなくキャリア5戦。
「ここまで本当に順調ですよ。1週前の追い切りも良かったですね」
湊助手が出来の良さに自信を見せる。疲れなど全く感じさせず、なおも上昇一途だ。タフなだけでなく、学習能力も高い。
「最初のころは走る気があまりない感じで、ゲートも出なかったんですけどね」
湊助手がこう振り返るデビュー戦は小倉芝1800メートル。スローペースでも道中は追走に手いっぱいだった。しかし、2戦目は一転して先行策。早め先頭から楽勝した。さらに4戦目のデイリー杯2歳Sは2番手先行から2着に入っている。
「最近はスタートも速いぐらい。まだ短い距離だと追走に苦労する面がありましたが、前走はビックリしましたね」
前走京王杯2歳Sが鮮やかな勝ちっぷり。1800メートル3戦→1600メートル→1400メートルと距離を短縮しての1戦で、速い流れに少し戸惑いは見られたものの、外からグッと伸び切っての重賞初制覇だ。
「初めての左回りだったせいか、フラフラする面がありました。まだいろいろ改善する余地はあるでしょうね」
注文をつけながらも湊助手は未完成の愛馬の活躍ぶりに目を細める。キャリア5戦のすべてが糧となっているのだ。この馬の良さをあえて言うなら“総合力の高さ”となる。それこそがジャイアンツコーズウェーの息子ならでは。中山マイルも問題なし。手始めに2歳チャンプはいただきだ。
▼エイシンアポロンの父 ジャイアンツコーズウェー(父ストームキャット)は97年米国産。オブライエン師のもとで13戦9勝。3歳時の00年にエクリプスS、サセックスS、愛チャンピオンSなどGI・5勝。同年の欧州年度代表馬に