【ヴィクトリアM】2強対決!ブエナ帰国初戦“全開”

2010年5月11日 06:00

ドバイ帰国後も順調なブエナビスタ

 待ちに待った宿命のライバル対決だ。春の女王を決める第5回ヴィクトリアマイルにブエナビスタとレッドディザイアが登場。ドバイ遠征を経たワールドクラスの牝馬2強によるガチンコ対決第4Rの行方や、いかに。まずはシーマクラシック2着以来となるブエナビスタの仕上がり状態に迫った。

 ドバイ遠征から中6週。国内復帰戦へ向け、ブエナビスタは順調に仕上がっている。全休日の10日、栗東は今にも雨が落ちてきそうな曇り空。しかし、山口厩務員の表情は晴れ晴れとしていた。
 「普段の放牧帰りと変わりない。いつもより(レースまでの)日数は少ないけど、そのぶん牧場でも乗っているから」
 ドバイ遠征から帰国後に兵庫県の三木ホースランドパーク、宮城県の山元トレセンで、およそ1カ月の着地検疫を経て、先月29日に帰厩した。トレセンでの調教期間は2週間あまり。これまでの臨戦パターンに比べれば、じかに接する時間が短い。しかし、山口厩務員が発する言葉には“信頼”の2文字がにじむ。
 「(調教で)ある程度、攻めていってるし、レースではしっかり走ってくれると思う」
 牝馬という枠を超えた存在と言われる。その表現はレースで発揮する能力以外にも当てはまる。とにかくおとなしい。馬房や厩舎周りの運動など、さまざまな場面で落ち着き払った姿しか思い浮かばない。
 「ドバイでも全然、変わらなかった。カイバ食いが落ちることがない」
 いつもと異なる環境に身を置かれても動じない。ハートの強さは前走シーマクラシックで実証済みだ。勝ち馬ダーレミには及ばなかったものの直線で外から、かぶせられる態勢から、よく盛り返した。異国にいても、平常心で臨めるからこそ鬼脚を発揮できた。
 今回は航空機によるものも含めて短期間で輸送が続き、牝馬にとっては試練と思える。だが、ブエナビスタなら国内復帰戦からエンジン全開の気配が漂う。
 「その気になれば、どういう競馬でもできる。東京だし、マイルでも大丈夫じゃないかな」
 桜花賞以来となるマイル戦への登場。オークス以降は2000メートル以上で戦ってきたが、広々として直線が長い府中なら心配無用だ。有馬記念や京都記念では、無理なく好位を確保する自在性も身につけた。レッドディザイアとの対決が注目される春の女王決定戦。あらためて存在の大きさを示してみせる。

 ◆4度目の対決 昨年の牝馬3冠レースで名勝負を演じたブエナビスタとレッドディザイアは今回4度目の対決を迎える。現在、対戦成績はブエナビスタが2勝1敗でリードしているものの、古馬となってからは初めての対決。再び壮絶なマッチレースとなるのか。

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2010年5月11日のニュース