【宝塚記念】フェノーメノ 戸田師控えめ「だいぶ格下」もニヤリ
2013年6月18日 06:00 フェノーメノの下馬評は“3強”の一角。天皇賞・春を制した勢いから西の2強封じの期待さえ高まっている。だが、戸田師は“煙幕”を張っているかのように控えめな言葉を並べた。
「3強と言われても、うちのはだいぶ格が下。西の2頭はG1を3つも4つも勝っているけど、こちらはG1を1つ獲っただけだから、付録みたいなものですよ」。つつましい言葉はさらに続く。「ジェンティルドンナには昨年のJCで0秒8離された。あの決定的な差をどこまで詰められるか。ゴールドシップも天皇賞から当然巻き返してくる」
ここまで西の2強に警戒の色を強めるのは胸の内に秘めた勝算の裏返しだろう。仕掛けなくてもハミをかけただけですさまじい切れを見せた1週前追い切り(13日)。その走りを見届けた戸田師は天皇賞(春)以上の手応えをつかんでいる。「馬体はすでに固まっているので大きな違いがないが、動きはさらに良くなっている。内面も変わってきた。欲目かもしれないが、G1ホースの風格まで出てきたように映る」と語った。手綱を取った主戦・蛯名は「競走馬として完成の域?この馬の完成がどこにあるのかは自分にも分からないんだ。ただ、進歩しているのは間違いない」と言う。
天井知らずの成長は西の2強にはないアドバンテージ。「成長力でJCの0秒8差を逆転?(勝負事で有利なのは)追われる立場より追う立場っていうけど…」。戸田師は煙幕で本音を隠しきれず、ニヤリと笑った。