【札幌2歳S】老いも若きも藤沢和厩舎!次は2歳アプローチ

2017年8月30日 05:30

藤沢和厩舎の秘蔵っ子ファストアプローチ

 北朝鮮のミサイル発射を知らせるJアラートのサイレン音に厩舎関係者も報道陣も浮足だった早朝の札幌競馬場。「(調教を)ぼやぼややってる暇はないぞ。ビシッといこう、ビシッと」。藤沢和師の大声が調教場に響き渡る。「先週は取らなかったのか?推奨したんだから(馬券も)ビシッといけよ」。先週のキーンランドCでエポワスを本命に推しながら馬券を買い損ねた記者にも罵声が飛ぶ。

 オークス、ダービーを連覇した藤沢和厩舎の勢いは夏に入っても止まらない。9歳セン馬エポワスが老人力で重賞初制覇を飾れば、2歳馬フラットレー、レイエンダ、タワーオブロンドン、ファストアプローチもヤングパワーで勝ち上がった。札幌2歳Sに挑むアプローチは前走・未勝利戦とはいえ直線だけで後続を5馬身突き放す圧勝。抜け出してからは遊んでいた。「ちょっとあり得ない末脚だったよね。洋芝向きの血統だし、530キロのフットワークの大きな馬。札幌の馬場は合う」と同師は言う。

 G1・4勝馬ドーンアプローチ産駒。宝塚記念優勝馬サトノクラウンは伯父にあたる。デビュー前からフットワークが目立っていたが、前走から後肢の踏み込みが一段とパワーアップした。普段の調教でネックストレッチャー(頭を上げる動作を制限する馬具)を着用。頭を下げ、後肢を入れて走るように教えてきた。最近は放牧先から帰厩後わずか10日での出走が主流になりつつあるが、厩舎で時間をかけて調教すればこその成果だろう。

 9歳馬から2歳馬にバトンをつなぐ2週連続重賞Vアプローチ。「今週もビシッと…」。レジェンドトレーナーの声が弾んだ。

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2017年8月30日のニュース