エクリリストワール、オーナーと調教師が描く英ダービーの夢

2018年6月5日 05:30

厩舎の期待を背負うエクリリストワールにキスをする田中博調教師(撮影・近藤大暉)

 父は12、13年の凱旋門賞で銀メダルに泣いたオルフェーヴル。デビューを待つ2歳牡馬エクリリストワールは、海外で名を売った父の背中を見つめている。オーナー鈴木剛史氏は「競馬発祥のヨーロッパに尊敬の念を持っています。競馬は物心がついた時から好きだったのですが、テレビの前で応援していたオルフェの凱旋門賞が凄く悔しくて、熱い気持ちになりました」と語る。

 「とにかくオルフェーヴル産駒を」。騎手時代からフランスなどで修業した田中博師にそうオーダーしたのが17年セレクトセール。かつて身を乗り出して応援した“ヒーロー”の子を3240万円(税込み)で購入した。「タナパク先生は海外の経験も豊富ですから。まだデビュー前なのに何を言っているんだと思われるかもしれないけど、新馬戦を走ったら英ダービー、愛ダービーに登録をしたいと思っている」。馬名は欧州の競馬に敬意を称し、フランス語で「歴史を画する」と付けた。

 壮大な夢への初陣は、函館開催終盤の芝1800メートル戦を予定。田中博師は「馬体のバランスがいいし、強心臓。ラスト3Fより、4〜5Fというタイプで洋芝も合いそう」と評価を与える。鈴木氏も「切れるというよりは長くいい脚を使うと聞いている。その辺りも欧州の競馬に合っているんじゃないかと期待してしまいます」とデビューを心待ちにしている。

 ディープインパクト産駒出走で日本国内でも注目を集めた今年の海外ダービー。英ダービー4着サクソンウォリアーと仏ダービーVスタディオブマンはあくまで海外調教馬。日本で生まれ育った“純国産馬”が異国のダービーを制すればまさに偉業だ。最大目標は父も成し遂げられなかった「凱旋門賞制覇」。ディープと同じ3冠馬オルフェーヴルの血に懸かる期待は大きい。

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2018年6月5日のニュース