【凱旋門賞】武豊、歴史の壁破る キズナ以来5年ぶりの参戦

2018年8月28日 05:30

武豊(撮影・平嶋 理子)

 大規模なスタンドとコースの改修を終えて、凱旋門賞が3年ぶりにパリロンシャン競馬場へと帰ってくる――。

 武豊はジェニアルが仏重賞挑戦(G3メシドール賞、7月22日、メゾンラフィット競馬場)した際にパリロンシャン競馬場へ足を運んでいる。いわば本番を前にしての視察だ。

 「見てきたよ。大きく変わっていたのはスタンドの色。目に飛び込んできたのがゴールド(金色)だからインパクトは凄い。最初、見た時はビックリした」

 金色のスタンドは日本に存在しないだけに想像もできない。武豊が大好きだった旧スタンド時のジョッキールームからパドックへと向かう空中階段は、ニュー・パリロンシャンには存在しないものの「ロンシャンならではのたたずまいというか趣は変わらない」と目を輝かせている。

 日本馬の悲願ともされる凱旋門賞に第一人者の武豊はこれまで計6度騎乗してきた。それゆえにドバイや香港などの主催国が費用を負担する招待レースと違って、凱旋門賞はオーナーに遠征の費用がかかることを誰よりも知っている。武豊はキズナ以来、5年ぶりの凱旋門賞参戦。キズナの馬主が前田晋二氏で、クリンチャーの馬主は兄の前田幸治氏。ノースヒルズグループのつなぐバトンでもある。

 「前田オーナーも凱旋門賞制覇を夢見ている一人。僕はこれまでアメリカ、ドバイ、フランス(ラニ、アウォーディー、トレイルブレイザー、キズナ)のG1でノースヒルズとコンビを組んできた。“豊、一緒に凱旋門賞を勝とう”と夢を共有していることがそうだし、鞍上に指名してくれることもうれしい」

 今年、日本からの参戦はクリンチャーのみ。G1馬の肩書を手にしていない以上、過去に凱旋門賞に参戦した日本馬とは格の面で見劣るのは事実。しかし、武豊は「スタミナがたっぷりあることは3歳の菊花賞(2着)で証明済み。ロンシャンの馬場にフィットすると思う」と野心を隠さない。立ちはだかる欧州の歴史の壁に、この男はひるんでいない。その気迫が何よりも頼もしい。

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