【凱旋門賞】オープンストレッチは使用せず 馬場状態に問題か
2018年10月3日 05:30 仏競馬の統括機関フランスギャロは2日(日本時間同日)、「凱旋門賞」(同7日午後11時5分発走)当日、および前日(同6日)は開催場となるパリロンシャン競馬場の「オープンストレッチ」は使用しないと伝えた。
今年4月に新装された同競馬場で、最大の変更点が通常のゴールから約450メートルの地点に「オープンストレッチ」と呼ばれる新型仮柵が設置されたことだった。英国や南アフリカの一部競馬場では既に導入されており、フランスでは同競馬場が初めての導入となった。内ラチがさらに内へ6メートル広がることで、インコースに新たな走路を確保。馬群を横にばらけさせることで、出走各馬の進路を公平に保つのが狙いだった。これまでパリロンシャン競馬場では馬場を保護するため、オープンストレッチを使用しない日もあったが、G1開催日には必ず設置されてきた。
当初、凱旋門賞でもオープンストレッチが使用される方向だったが、フランスギャロの関係者は「オープンストレッチはレースの規則性を大幅に向上させたが、最優先事項は我々の提供するコースの質」と言及。オープンストレッチによって“出現”するグリーンベルトの馬場状態に問題があるもようだ。
元々現地のジョッキーの間でも「戦略性」の観点から、勝負どころで人為的にスペースをつくり出すオープンストレッチの使用には賛否両論の声が上がっていた。9月のフォワ賞などで同競馬場で騎乗した武豊も「強い馬が内に閉じ込められて動けなくなるのも競馬。個人的にはあまり好きではない。(馬群に)包まれるケースが減れば、強い馬の勝機がさらに増える」と話していた。