モレイラ涙…JRA騎手免許不合格「大きなパンチ受けたよう」

2018年10月12日 05:30

JRA騎手1次試験に不合格となり、浮かない表情で記者の質問に答えるモレイラ(左)

 ショックを隠せなかった…。競馬関係法規など、競馬に関する知識が問われた1次試験不合格の知らせに、力なく肩をすくめながら両手を広げ、言葉に詰まった。発表当日、どんな結果になろうとジョッキーである限り騎乗依頼には全力で応えなければならない。美浦から大井競馬場に移動し、交流重賞騎乗前に心境を語ったが「ブロークンハート(心が痛い)。大きなパンチを受けたようだ」とポツリ、ポツリと言葉をつなぐのがやっと。「日本の美しさ、優しい人々が大好き。JRAや地方競馬の施設、レベルの高さは素晴らしい。この気持ちは変わらない。残念な結果になり、応援していてくれた人々に申し訳ない」と何度も謝罪を口にすると、涙をこらえ切れなかった。

 7日には毎日王冠でアエロリットをVに導き、JRA重賞2勝目を挙げたモレイラ。今年8月の札幌開催で31勝。9月29日からの短期免許でも8日までに15勝と、リーディング級の活躍を見せているが、そんな“雷神”の一撃をもってしても、JRA騎手免許試験の壁を打ち破ることはできなかった。「来年もう一度受験するか、今はまだイエスともノーとも言えない。とにかく今回の試験に集中していた。試験と、短期免許(9月29日〜10月28日、11月10日〜12月9日)で日本で騎乗するところまでしか決めていない。今後のことは自分をサポートしてくれる家族とも話し合わなければならない。急いで決めるのは良くないこと。じっくり時間をかけて考えたい」

 報道陣の質問に率直に答えながらも、落ち込む気持ちは隠せなかった。それでも、レースではそれをみじんも感じさせない。交流G2をプリンシアコメータとのコンビで制し、地方競馬での重賞初V。逃げる当初のプランとは違う競馬になったが、好位3番手に控えると、直線の攻防では長い腕で愛馬を鼓舞。外から伸びたブラシェクールを頭差抑えた。名手の意地を見せ「地方での初重賞は特別な勝利。これが大井での最後の勝利にならないよう、また来たい」とファンに再会を誓った。

 来年の再受験こそ明言しなかったが、母国ブラジルからシンガポール、香港と渡り歩きジョッキーとして前進し続けてきた。

 「私はチャレンジが好き。これまでも全て成功してきたわけではなく、たくさんの失敗もあった。毎回、乗り越えて次のチャレンジに向かった。今回の結果に足を引っ張られないよう、さらに強くなってキャリアアップを目指したい。チャレンジしないと成功はない。皆さん心配しないで」

 ステッキ1本で世界を魅了してきた男は、少しほほ笑んで前を向いた。

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