ディアドラ&ヴィブロス共闘と善戦

2018年12月14日 05:30

お互いの気持ちが通じ合うかのようなヴィブロス(右)とディアドラ(撮影・平松さとし)

 【競馬人生劇場・平松さとし】現地時間9日、香港沙田(シャティン)競馬場で4つの国際G1レースが行われた。大挙9頭で挑戦した日本調教馬だが、結果は3頭が2着と善戦したものの、勝利することはできなかった。

 そんな中、調教の時から目を引いたのがヴィブロスとディアドラだ。前者は栗東・友道康夫厩舎の5歳牝馬。一方、後者は栗東・橋田満厩舎の4歳牝馬。2頭は今春には共にドバイへ遠征。ドバイターフ(G1)に出走し、2着と3着同着と好走していた。

 毎朝、厩舎から調教場となる競馬場のコースへの往来も、パドックや装鞍所のスクーリングも常にヴィブロスがディアドラを先導する。ディアドラが立ち止まると、ヴィブロスは彼女を待つように一緒に止まる。栗東トレセンからの馬運車も、飛行機も一緒だった2頭の、そんな光景に友道師は言う。

 「ドバイも今回の香港も、馬房の位置もちょうど正面で向かい合っています。お互い気持ちが通じるところがあるみたいです」

 また、橋田師も次のように語っていた。

 「ヴィブロスがいつも一緒にいてくれるおかげで落ち着いています」

 今回の香港には橋田師のご令嬢がみえていたが、ガラパーティーで歌われたタイムアフタータイムの歌詞“If you fall I will catch you. I will be waiting. Time after time”(もしあなたが倒れたら私が受け止める。私は待っているから。何度でも、何度でも)という歌詞を聞き、次のように感じたと言う。

 「勝手にヴィブロスとディアドラの関係に置き換えたら涙が出てきちゃいました」

 香港マイル(G1)に出走したヴィブロスは直線よく追い上げたものの、ビューティージェネレーションの圧倒的な強さの前に2着に惜敗。香港カップ(G1)に挑んだディアドラもゴール前で猛追したものの、マイペースで逃げ切ったグロリアスフォーエバーを捉えることはできずこちらも惜敗の2着。結果まで仲良く同じだったが、どちらか1頭が欠けていたら、これだけの善戦もできなかったのかもしれない。

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