【AJC杯】ジェネラーレ迫力十分!矢野師「中間も順調」

2019年1月17日 05:30

アングレーム(右)と併せ追い切るジェネラーレウーノ(撮影・郡司 修)

 進化を証明する19年の始動戦。矢野師の眼鏡の奥の瞳がキラリと光った。「内めを走って時計はちょっと速くなったが形は良く楽に走っている。あとは(本番で)走ってもらうだけ。中間も順調です」。最強4歳世代を代表する先行馬。ジェネラーレウーノの躍動感あふれる走りに指揮官の声が思わず弾んだ。

 師が合格点を与えた最終リハ。先行したアングレーム(4歳500万)を9馬身差離れて追走。追いつくのか?周囲の不安をよそに、4コーナーで内へ舵(かじ)を切りパートナーとの距離が一気に縮まる。直線で軽く追われてスイッチオン。グイグイと脚を伸ばして同入でフィニッシュした。馬なりで4F51秒5〜1F12秒8。騎乗した主戦・田辺は「前も流れていたので追いつかないと思ったが、コーナーでロスをカバーして追いついた。今週が競馬なので叩いて叩いて追いつく状態にしたくなかった。促した程度で追いつくことができて良かった」と満足顔だ。

 決して優等生タイプではない。“本気”を出したがらない気分屋。馬場に向かう地下道では、ごねるようなそぶりを見せた。「この馬は昔から言っている通り精神面がね。本当に自由な馬。行きたくないときは、どうやっても行かない」(田辺)。気性難はネックだが、型にはまると無尽蔵のスタミナを発揮する。それが【3010】の中山だ。今回と同じ舞台のセントライト記念Vなどコース適性は高い。師が「条件は申し分ない」と言えば、「勝っている舞台だしいいと思う」と鞍上も同調。“自分の庭”で闘争本能が目を覚ます。

 先手を握った菊花賞はスローに持ち込み自滅。9着に敗れた。トレーナーは「結果的にこの馬の乗り方ではなかった。スローの瞬発力勝負は分が悪い。もう少し流れさせながら、能力を生かして1着を狙いたい」と青写真を描く。後続になし崩しに脚を使わせ、そのまま突き放す。スタミナを最大限に生かす構えだ。

 矢野厩舎の18年初勝利は京成杯を制したジェネラーレだった。19年は12頭を送り込み3着が最高。それだけに「(今年も)何とかしたい」と愛馬への期待は高まる。厩舎に初勝利を届ける使命を背負った19年“本気”の走り始め。ジェネラーレの爆走モードにスイッチが入った。

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2019年1月17日のニュース