藤井、いざ出陣!各国巡った実績念願JRA免許「不安ない」

2019年3月1日 05:30

3月1日からJRA騎手デビューする藤井勘一郎騎手

 1キロの体重が藤井に世界を巡らせた。騎手を志した藤井にJRA競馬学校の受験規定「43キロ以下」が立ちはだかったのが中学校3年生のとき。「どうしてもあと1キロが落ちなかった」と藤井。そこで諦めず、オーストラリアでジョッキーになり、各国を巡って実績を積んだ。競馬学校を経由せずに6回の騎手試験挑戦を経て念願のJRA騎手免許を獲得。35歳の今JRA“新人騎手”となった。

 「スタートラインに立てたことはうれしいですが、これから結果を出すことが僕の仕事」

 JRAデビューに際しても「不安は特にない」と言い切る。自信の源泉となっているのは、調教も含めて、これまでに13の国と地域で騎乗してきた経験だ。

 「その地、その地でのやり方に対応しながら、ここまで生き残ってきました。オーストラリアやマレーシア、中国は芝が中心ですし、実は芝の経験も豊かなんです。どこに行っても、カメレオンのように色を変えて対応していきますよ」

 世界を巡った日々を糧とした自負がある。先週は土日とも阪神競馬場に足を運び、日曜の競馬終了後に芝の内回り、外回りともに歩いて、実戦へのイメージを膨らませた。

 今週は阪神に腰を据え、土曜5鞍、日曜4鞍に騎乗する。注目は「JRA所属になって最初の騎乗依頼の電話だった」という土曜11R・チューリップ賞のブランノワール。追い切りには2週連続で騎乗している。

 「きっちり仕上がっていると感じました。須貝先生からは“サポートする”と言っていただけて心強い。期待に応えたいですね」

 現競馬学校教官の横山賀一氏(52)以来、27年ぶりの逆輸入ジョッキー。話題性は抜群だが、今はまだ序章。経歴ではなく手綱さばきで注目を集める日がすぐに来る。

 【今週デビューする新人ジョッキーのひと言】

 ▼亀田温心(はーと、18=北出)最初は減量もあるので、積極的なレースを心がけていきたい。=阪神で土日計6鞍に騎乗=

 ▼団野大成(18=斉藤崇)普段から乗せてもらっている馬も多いし、持ち味を最大限生かして乗れれば。=小倉で土日計7鞍に騎乗=

 ▼大塚海渡(18=木村)期待と不安の気持ちが半々。プレッシャーに負けないように頑張る。馬の特徴をしっかり見て減量を生かして一生懸命乗りたい。=中山で土日計4鞍に騎乗=

 ▼岩田望来(みらい、18=藤原英)(土曜阪神1Rで父・康誠と親子対決)18人のジョッキーと馬でレースしていますので特別、父との対決という気持ちはない。世界でも活躍できるジョッキーになりたい。=阪神で土日計9鞍に騎乗=

 ▼斎藤新(あらた、18=安田隆)2世(父・誠師)というのもあり、一緒だと甘えもある。あえて栗東を選んだ。父とは毎日、電話で競馬の番組などについて話しています。土台をつくってもらったし馬の力を信じて頑張りたい。=小倉で土日計12鞍に騎乗=

 ▼菅原明良(17=高木)母は毎週土日に通っているほどの競馬好き。僕が騎手になれたことをとても喜んでくれています。模擬レースでは緊張や焦りはなかった。実際の競馬でも落ち着いて判断していきたい。=中山で土日計4鞍に騎乗=

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