【安田記念】シャイデン、矢作厩舎昨年の再現へ「具合かなりいい」

2019年5月31日 05:30

厩舎回りを運動するエントシャイデン

 ダービーを角居厩舎の伏兵ロジャーバローズが優勝。12番人気での歴史的大駆けで「複数出しは人気薄」の格言が令和の時代にも生きていることを印象づけた。2強激突が注目される「第69回安田記念」(6月2日、東京)でも名門2厩舎が2頭出し。矢作厩舎のエントシャイデン、池江厩舎のスマートオーディンが虎視眈々(たんたん)と波乱演出を狙っている。なお、同レースは31日に枠順が確定する。

 矢作師が不満げだ。気持ちを代弁すると“この扱いはねえだろう”か。モズアスコットは昨年の覇者ながら7着に敗れた前哨戦で評価急落。共同会見にも呼ばれなかった。思えば昨年も連闘が疑問視されルメール騎乗ながら9番人気。それをあざ笑う強襲劇だった。

 さらにおろそかな扱いとなっているのが2頭出しのもう1頭、エントシャイデンだ。昨年の勝ち馬でさえ伏兵扱いになる超強力メンバー。それでも指揮官はチャンスなきにしもあらずと力説する。

 「京王杯SCは出遅れて何もしないまま終わってしまった。阪急杯から間隔が空いていたこともあって、使った上積みは当然あるし具合はかなりいい。チャンスがないとは思わない」

 京王杯SCは着順こそ11着だが、出遅れながらレコード決着の0秒5差。この馬も1分19秒台で走っているのだ。前哨戦で脚を隠したまま終わったなら、見限ることはできない。

 昨年秋から今年にかけて破竹の3連勝。全姉ブランボヌール(函館2歳S、キーンランドC勝ち)の良血が遅まきながら本格化。昇級2戦の結果は流れと展開がかみ合わなかった。“力不足”のラベルを貼るのはまだ早い。

 「上がり32秒台の脚が使えるから、今の時計の速い馬場はこの馬に合う。人気は関係ない。駄目だとは思ってないから」

 東京マイルは【2・0・1・0】のベスト条件。ディープインパクト産駒の連続ワンツーとなったオークス、ダービーの結果を踏まえれば血統も激走を後押しする。

 矢作厩舎は安田記念で幾度となく波乱を演出してきた。10年6番人気で2着したスーパーホーネットに始まり、12年グランプリボスは13番人気ながら首差2着。14年には16番人気まで評価を落としていた6歳グランプリボスが断然人気のジャスタウェイを鼻差まで追い詰めた。昨年のモズアスコットも厩舎3頭出し(リアルスティール=4番人気15着、リスグラシュー=6番人気8着)の人気薄だった。「複数出しは人気薄」。今週も、今年も、のシーンがあっても不思議ではない。

 ▽ダービーVTR 角居厩舎がサートゥルナーリアとロジャーバローズの2頭出し。単勝1・6倍の1番人気に推された無敗の皐月賞馬サートゥルナーリアが出遅れて場内騒然。リオンリオンが前半5F57秒8のハイラップ逃げ。離れた2番手で運んだ12番人気ロジャーが直線で抜け出し、ダノンキングリーの猛追を振り切った。サートゥルは4着。単勝93・1倍はダービー史上2位。

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2019年5月31日のニュース