【有馬記念】アーモンド霧裂いた!計測不能もルメール証言「抜群。楽に抜き去り余裕あった」

2019年12月19日 05:30

<有馬記念>濃霧の中で併せで追い切るルメール騎乗のアーモンドアイ(右)(撮影・西川祐介)

 今年の流行語大賞は初のW杯8強に輝いたラグビー日本代表のスローガン「ONE TEAM」。「第64回有馬記念」にファン投票1位で臨むG1・6勝馬アーモンドアイ(牝4=国枝)もチーム一丸となって初のグランプリに挑む。18日、美浦Wコースでの最終追い切りは霧のベールに包まれて計測不能だったが、仕上がりは万全。主戦クリストフ・ルメール(40)、管理する国枝栄調教師(64)らTEAMアーモンドアイの“メンバー”それぞれの思いに迫った。

 濃霧の美浦トレセン。白く立ちこめた霧がコース全体を覆った。ゴール付近に陣取った報道陣からは、わずかに残り1Fの標識が確認できる程度。霧の中から姿を現したアーモンドアイは既にトップスピード。併走ノチェブランカの1馬身前に出ていた。そこからさらに加速。3馬身、4馬身と差を広げ、再び霧の中へ。鞍上のルメールはヘッドセットの小型カメラを装着。密着取材を続ける母国フランスの放送局「TF1」が馬上からの迫力あふれる追い切りシーンを狙ったが、残念ながら白くぼやけた映像しか残らなかった。

 視認できたのは150メートルほど。それでも強烈な加速を認識するには十分だった。「リードホースを2馬身追走。4角ではもう並びかけていた。直線の手応えは抜群。楽に抜き去って最後も余裕があった」。ベールに包まれた最終追いを丁寧に解説したルメール。「いつもの普通のアーモンドアイ。これでいい。コンディションはバッチリです。乗っていてとてもハッピー」

 出来は万全。気になるのは相手関係だ。ルメールは「G1馬がたくさん出てくる。どの馬も強い勝ち方をしてきた。有馬記念は毎回難しいレースだけど、今年は特に難しい」と気を引き締める。ライバルにはサートゥルナーリア、フィエールマン、レイデオロとルメール自身の手綱でG1を制した馬も含まれる。ポテンシャルは百も承知。その上でルメールは「アーモンドアイはどこでも何でも、出るレースは全てビッグチャンスの馬。初の中山も全く心配していない。勝つ自信?もちろんあります」。愛馬への信頼は揺るぎない。

 熱発による香港遠征中止がケガの功名となり、ファン投票1位選出のグランプリへ。ルメールは「香港に行けなかったのは残念だったが、有馬記念に出られるのはよかった。日本のファンにとってはラッキーなこと。できれば競馬場でアーモンドアイの走りを見てほしい」と締めくくった。現役最強の座を、ここで明け渡すつもりはない。

特集

2019年12月19日のニュース