【高松宮記念】ノームコア、道悪でノリ乗り タフな馬場も横山典「有利なんだと思う」

2020年3月27日 05:30

ノームコア(撮影・郡司 修)

 中京の天気予報は、金~日曜の全てに傘マーク。各陣営は「どのくらい降るんだ…」と気が気でない様子。「Tough(タフ)」なコンディションでの開催が濃厚だ。そんな中、ノームコアと初コンビを組む横山典だけは違った反応。名手の思考をできるだけ正確にお伝えしたい。談話多めの形式でお届けする。

 ――週末は雨の予報が出ている。
 横山典 雨が降れば中京はタフなコンディションになる。生粋のスプリント戦という感じにならなければ自分の馬の方が有利なんだと思う。道悪巧者の馬がいれば別だけど。

 ――初のスプリント戦でG1を制した馬といえば、自身が騎乗して99年スプリンターズSを制したブラックホークがいる。
 横山典 その前のマイルCS(横山典は4着アドマイヤカイザー騎乗)で同じレースに出て、この馬は明確にスプリントで走るという確信があった。どこが?と聞かれたら“全部”。それで陣営(国枝厩舎)に進言したんだ。それは17、18歳からずっと馬に乗り、馬を見て自分に染みついた感覚。言葉にすると膨大なことになるし、うまく言語化できるかと言われたら難しい。

 ――ノームコアにもその感覚はあるのか?
 横山典 向いていないとは思わない。楽しみだよね。

 ――騎乗する上での信条は?
 横山典 いつだってどう勝つか必死だよ。ディープインパクトと一緒のレース(横山典はディープが勝ったレースで最多の2着3回)だって“どうやってディープを負かそうか”と考えていた。周りから見れば結果は当然だったのかもしれないけど、レースの後は心から悔しかった。ただ、もう一つ大切なのが、馬を点で見てはいけないということ。長い目で、線で見てあげることが大切なんだ。それらの積み重ねが今でも自分が乗れている理由だと思う。

 16年のダービー。横山典が乗ったブレイブスマッシュは終始無理をせず、勝ち馬から10秒以上遅れてゴール。疑問を呈する声もあった。だが、同馬はその後にオーストラリアで1200メートルのG1を勝ち、現地で種牡馬入りを果たす。勝つことに必死。だが、長い目で見ることも大事…。典さんの「楽しみだよね」という言葉が、頭から離れなくなった。

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