【皐月賞】無敗コントレイルまず1冠!福永“万感”史上11人目クラシック完全制覇

2020年4月20日 05:30

<皐月賞>レースを制したコントレイル(右手前)、2着のサリオス(左手前)

 牡馬クラシック第1戦「第80回皐月賞」が19日、無観客の中山競馬場で行われ、1番人気の無敗馬・コントレイル(牡3=矢作)がゴール前の叩き合いを制し、1冠目を奪取。鞍上の福永祐一(43)は皐月賞初勝利で、史上11人目の5大クラシック完全制覇を達成した。桁外れの強さを示したコントレイルが、父ディープインパクトと同じ3冠ロードへ突き進む。

 前日の荒天から一転、飛行機雲が映える青空の中山競馬場。無観客のスタンド前に、若きG1馬2頭が馬体を併せて駆け上がってきた。後続を離してマッチレース。内で粘るサリオスを抑え、先にゴールに飛び込んだのはコントレイルだった。

 「相手も3戦3勝でG1馬。相当強い馬で簡単なレースにはならなかったけど、よく押し切ってくれた」。自身初の皐月賞Vを飾った福永は、責任を果たしてホッとしたように笑みを浮かべた。

 ゲートは普通に出たが、行き脚がつかずに過去3戦とは違って後方からの競馬。「想像とは違うレース。あまり前に進んでいこうとしなかった」。前日の雨の影響が残り、内側の馬場の傷みは激しかった。それでも「返し馬が良く、今までより良い脚を使える」と確信した福永は無理に前へ行かせず、後方で折り合いに専念。3角手前で外へ誘導し、父ディープインパクトをほうふつさせる“大外まくり”でライバルを完封。相棒の力を信じた、冷静な騎乗が光った。

 昨年のホープフルS以来、中112日で快勝したコントレイルの強さも際立った。矢作師は「枠順、道悪とかいろいろ言われましたが、強い馬はどんな条件でも強いというところを見せたかった。それが証明できたかな」と胸を張った。

 19回目の挑戦で皐月賞を制した福永は、これで史上11人目となる5大クラシック完全制覇の偉業を達成。「たくさんのいい馬に乗せていただいて、勝つことができて非常にうれしい」と静かに喜びをかみしめた。

 もちろん次の目標はダービー。この日の走りなら、無敗3冠も視界に入る。「無敗でのダービーは重圧もかかるが、どんな馬になっていくのかなという期待感の方が大きい。楽しみで仕方ない」と心を躍らせる福永。どこまで強くなるのか。亡き父の最高傑作へ…コントレイルの無敗進撃から目が離せない。

 ◆福永 祐一(ふくなが・ゆういち)1976年(昭51)12月9日生まれ、滋賀県栗東市出身の43歳。父は福永洋一元騎手。妻の元フジテレビアナウンサー松尾翠さんとの間に1男2女。96年3月2日の中京2Rで初騎乗初勝利。JRA通算1万7623戦2293勝(G1・26勝)。海外でも05年アメリカンオークスなどG1・5勝を挙げている。1メートル60、52キロ。血液型B。

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