ビワハヤヒデ死す…93年菊花賞などG1・3勝芦毛の名馬 30歳、ナリタブライアンの兄

2020年7月22日 05:30

93年、岡部を背に菊花賞を制したビワハヤヒデ

 93年菊花賞などG1・3勝を挙げたビワハヤヒデが21日、北海道日高町の日西牧場で老衰のため死んだ。30歳だった。04年に種牡馬を引退した後、同牧場で余生を過ごしていたが、最近は体調を崩し、この日未明に静かに息を引き取った。

 同牧場の高山直樹社長は「もう少し長生きさせてあげたかったのですが、力不足で申し訳ありません。ビワハヤヒデの人生(馬生)は恵まれたものだったと思います。多くのファンに応援してもらい、本当に感謝しています」とその死を悼んだ。

 岡部幸雄騎手(引退)を主戦に平成初期のG1シーンを飾った芦毛の名馬だった。93年のクラシックではナリタタイシン、ウイニングチケットと共に「BNW」と呼ばれる3強勢力を形成。皐月賞ではナリタタイシンの2着、ダービーではウイニングチケットの2着に惜敗したが、最後の1冠、菊花賞を5馬身差で圧勝してG1初制覇を遂げ、年度代表馬に輝いた。翌94年には天皇賞・春、宝塚記念を連勝。1歳下の3冠馬ナリタブライアンとの兄弟対決に期待が集まったが、同年の天皇賞・秋(5着)直後に屈腱炎が判明して現役引退。兄弟対決は実現しなかった。95年に種牡馬入り。重賞ウイナーは送り出せなかったが、いとこのファレノプシスやキズナがG1を制すなどその血脈は受け継がれている。

 4月にはナリタタイシンが老衰死したばかり。ライバルの後を追うようにこの世を去った。

 ▼岡部幸雄元騎手 G1ホースの中でも特に力のある馬だった。3歳春のクラシックは勝てなかったが、夏に成長して急激にパワーアップした。菊花賞で実力が証明できたと思う。4歳の秋に故障で引退したのが惜しまれるが、弟のナリタブライアンを含めてあのファミリーは本当に凄かった。

 ◆ビワハヤヒデ 父シャルード 母パシフィカス(母の父ノーザンダンサー)牡30歳 栗東・浜田厩舎所属 馬主・ビワ 生産者・早田牧場新冠支場 戦績16戦10勝 総獲得賞金8億9767万5000円。

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