【アイビスSD】ライオンボス、ギア入れず併入で予定の鈍行便 和田正師「いつものパターン」

2020年7月23日 05:30

追い切りを行うライオンボス(撮影・西川祐介)

 新潟開幕週の名物重賞「第20回アイビスサマーダッシュ」(26日)の最終追い切りが22日、東西トレセンで行われた。美浦では史上3頭目の連覇を狙うライオンボスが超軽めの内容ながら、番手からの競馬を意識した追い切りを披露した。

 ライオンはおとなしかった。昨年のアイビスSDの覇者ライオンボスの最終追いは、追い切りとは思えないほど軽いものだった。助手を背にポリトラックで、2馬身先行するファレーズ(3歳未出走)を追走。最初の1Fのラップは16秒4。次の1Fも15秒9と一向にペースは上がらない。4角では馬場の中ほどを通った相手に対して、ライオンは外ラチ沿いを回って多少の負荷はかけた。ゴール前で追いつき外併入は果たしたが、最後まで爆発的なスピードは封印したまま。タイムは5F76秒1~1F13秒2だった。

 和田正師は「負荷をかけるよりは、前に馬を置いてしっかり捉えにいく感じ。手応えは良かったし、これで気持ちもしっかり入ったと思う」と説明した。昨年の最終追いもポリトラックで行ったが、当時は5F69秒1~1F11秒8。今年は明らかに遅い。それでも師は「あまり高ぶり過ぎてもと思うし、集中力があって動きは良かった。いつものパターンだし、これで態勢は整うと思う」と“予定通り”を強調した。

 トップハンデの57・5キロを克服して勝った前走の韋駄天Sの最終追いは、ポリトラックで5F73秒1~1F12秒9。今回の調教に近い。いつものようにハナを奪えなかったが、2番手から差し切った。「ひるむことなくしっかり走っていた。以前はモロいところがあったが、その辺は成長している。戦略の幅が出たのは大きい」と師。番手からの競馬を意識したため、タイムよりも「しっかり捉えにいく」調教になったのだろう。

 千直は5戦4勝と抜群の相性を誇る。千直5勝目となれば歴代単独トップ。アイビスSD連覇ならカノヤザクラ(08、09年)、ベルカント(15、16年)に続き3頭目の偉業達成になる。“千直の王”ライオンが本気で吠えるのは美浦ではない。新潟の直線だ。

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2020年7月23日のニュース