【アイビスSD】ジョーカナチャン“一走入魂”12秒4快速仕上げ!2度の骨折乗り越え重賞初挑戦へ

2020年7月24日 05:30

<アイビスサマーD>坂路単走で追い切るジョーカナチャン (撮影・亀井 直樹)

 25日から夏の新潟・札幌2場が開幕。夏の新潟開幕の風物詩「第20回アイビスサマーダッシュ」に出走するジョーカナチャンが23日、栗東トレセンで木曜追い。坂路でスピード満点の動きを見せ、万全の態勢で初の重賞舞台へ殴り込む。札幌には昨年、開催リーディングに輝いたクリストフ・ルメール(41)が参戦。相性抜群の地で勝ち星量産に自信をにじませた。

 初めての重賞に挑むジョーカナチャンはいつも通り、坂路で最終追い。単走でゆったりした入りから徐々にペースを上げる。残り2Fで加速。小刻みなステップ、スピード感ある走り。ラスト1F12秒4が抜群の伸び。4F54秒7は目立つ数字ではないが、数字以上に動きの良さが際立った。「指示通り。動きは良かったし、自信を持って送り出せる状態です」と内田助手。前走の韋駄天S2着から2カ月ぶりの実戦になるが、仕上げに抜かりなし。

 「これまではスピードの違いでハナに行ってるだけで、イレ込んだり引っ掛かったりしているわけではない。牝馬の割には落ち着きもあるし、コントロールもしやすい。以前から確実に地力は上がっています」

 現役屈指の快足だが、単調なスピード馬ではない。競走馬としてのキャリアも一本調子ではないのだ。18年4月の1勝クラスを卒業後に骨折。半年間の休養を余儀なくされた。それでも復帰戦の飛翼特別を見事に勝利。続く駿風Sも逃げ切りを決めて、3連勝でオープン入りを果たした。内田助手は「そのままアイビスSDを使う予定だった」と振り返る。しかし、ここで2度目の骨折が判明。無念のリタイアで重賞初挑戦はお預けになった。

 「一走を大事にしたい。今年は順調なのが何より。使い込んでいない分、まだ馬は若いし、伸びしろがある。直線競馬は自分との闘い。彼女の走りができれば」

 度重なる挫折があったからこその一走入魂。ここに懸ける思いは、どの馬よりも強い。2勝を挙げる得意の直線競馬。そして開幕週はやはり前が簡単には止まらないため、このレースは先行馬優位だ。暑さを吹き飛ばすスピードで新潟の直線芝1000メートルを駆け抜ける。

特集

2020年7月24日のニュース