【セントライト記念】ガロアクリーク“血統の壁”越えろ!2200メートル克服で菊への道切り開く
2020年9月15日 05:30 今週は3日間開催。月曜中山メイン「第74回セントライト記念」(菊花賞トライアル=3着まで優先出走権)で、ダービー最先着6着のガロアクリークが満を持して始動する。スプリント色が濃いキンシャサノキセキ産駒の血統を覆し、今春は皐月賞3着、ダービー6着とクラシック王道で活躍。3月のG2スプリングSを制した好相性の中山で好発進を狙う。春クラシック不出走組では福島の開成山特別を制したリスペクトが、父エピファネイアとの菊花賞父子Vを目指して権利獲りに燃える。
今春クラシック王道を歩んだガロアクリークが血を越えた秋の戦いに挑む。父キンシャサノキセキは芝1200メートルG1・2勝。しかし、息子は名スプリンターの父の子らしからぬ歩みを続けてきた。上原師は「血統は短距離だけど、この馬はゆったりと走れて跳びが大きい。早くから長いところがいいと思っていた」とその資質を見抜いていた。
昨秋、東京芝2000メートルの新馬戦でVデビュー。今年3月スプリングS(芝1800メートル)では短期免許で来日したヒューイットソンを背に重賞初V。続く皐月賞(3着)ではコントレイル、サリオスに堂々と続いた。短期免許期限が切れた鞍上から「ダービーを目指すべき」と心強い進言を受けた競馬の祭典。NHKマイルCには見向きもせず、新コンビ川田を背に粘り強く伸びて6着に食い込んだ。新型コロナウイルス感染拡大防止のための移動制限もあり、調教に乗れずテン乗りでの健闘だった。同師は「一度でも乗ればもっと善戦できたかもしれないが、川田ジョッキーが事前に研究してくれ、内容も良かった。乗る前は血統から2400メートルはどうかな?と感じていたと思う。レース後にジョッキーも“距離はもちますね”と言ってくれた」と人馬の奮闘を称えた。
夏場は涼しい北海道で充電。先週9日はG1馬の先輩セイウンコウセイに胸を借りて、ハードに追った。「夏場も無事過ごせた。やんちゃだったのが少し大人になり、どっしりしたかな」と成長を実感している。
今後は「今回の内容を見て、この後どうするか決めることになる」と3冠最終戦の菊花賞(10月25日、京都)の出否を保留し、眼前の戦いに全力で挑む。「重賞を勝った中山。同じジョッキーに続けて乗ってもらえるのもいい」と同師は秋の好発進を祈った。もし菊花賞に挑めば、最長V距離が1600メートルだった父の約2倍の壮大な挑戦になる。ダービー最先着の誇りを胸にしたガロアクリークの始動戦には、でっかい夢が詰まっている。
≪産駒重賞V最長距離1800メートル≫キンシャサノキセキ産駒はJRA重賞7勝。距離別は1200メートル2勝、1400メートル3勝、1600メートル1勝、1800メートル1勝。ガロアクリークが勝ったスプリングSの1800メートルが重賞最長V距離。同産駒の芝の平均V距離は1370メートルとスプリント色が濃いが、現在園田に在籍するウインブルーローズ(牡8)はJRA時代の3勝が全て2400メートル以上と長距離型もいる。