【スプリンターズS】秋も牝馬だ!4歳グランアレグリア&エイティーンガールに注目

2020年9月29日 05:30

スプリンターズSに出走するグランアレグリア(撮影・西川祐介)

 いよいよ秋のG1シリーズがスタート。開幕戦はスピード自慢がそろう「第54回スプリンターズS」(10月4日、中山)だ。スポニチでは今秋もレースの傾向、メンバーを徹底的に分析する「G1データMAX」をお届け。これは必見。データ派のみなさんはもちろん、そうじゃない人も一読を――。馬券的中のヒントがここにある!

 (1)年齢 芝スプリントG1(春の高松宮記念と秋のスプリンターズS)は18年にファインニードルが春秋連覇を飾ったが、昨年の高松宮記念以降はミスターメロディ、タワーオブロンドン、モズスーパーフレアと勝ち馬が代わっている。昨年の覇者タワーオブロンドンはツメの不安で調整が遅れ、ここに間に合わなかった。この路線は一時期のロードカナロアのような絶対的な王者が不在。その分、力が拮抗(きっこう)した組み合わせになる。

 過去10年を振り返ると世代別で一番、成績がいいのが4歳だ。11年カレンチャン、12年ロードカナロアが勝って以降は2、3着止まりだったが、昨年タワーオブロンドンが7年ぶりに4歳Vを飾るとモズスーパーフレア、ダノンスマッシュ、ミスターメロディが続いて1~4着を独占。年長世代に若い力を見せつけた。

 ただ、若さだけでは通用しない。昨年3歳は5頭が出走したが、ハッピーアワーの7着が最高着順。まともに古馬の壁にはね返された。出走15頭で2頭(16年ソルヴェイグ3着、18年ラブカンプー2着)が馬券に絡んでいるが、勝ち切るには至っていない。今年はビアンフェが古馬相手のG1獲りにチャレンジする。

 5歳と6歳は3勝ずつ。勝利数は4歳と同じでも勝率、連対率、複勝率で見劣る。10年に8歳の香港馬ウルトラファンタジーが勝ったが、あれは例外。7歳以上は手を出しづらい。

 (2)臨戦過程 06年のサマースプリントシリーズ創設以降、シリーズ覇者は苦戦を強いられてきた。07年サンアディユや13年ハクサンムーンの2着はあるが、なかなか勝ち切れない。昨年タワーオブロンドンがついにその壁を突き破り、延べ13頭目の出走で初勝利を飾った。夏にきっちり仕上げて結果を出し、さらに秋も…となると簡単ではない。今年は北九州記念覇者レッドアンシェルが“夏秋連覇”にチャレンジする。

 そのレッドアンシェルやモズスーパーフレアが該当する前走・北九州記念組は【0・1・0・11】でパッとしない。中5週だから、ちょうどいい間隔に思えるが…。昨年モズスーパーフレアの2着があるだけ。好材料とは言えない。一方、最有力ローテは【5・4・3・44】のセントウルS組。キーンランドC組も【2・1・5・35】と悪くない。

 また、このレースに関して言えば休み明けでも割り引く必要はない。16年&17年と連覇を飾ったレッドファルクスは16年がCBC賞、17年は安田記念以来と、いずれも休み明けだった。安田記念惨敗後の秋初戦で2着に入った15年サクラゴスペルの例もある。

 (3)馬場&脚質 今開催の中山芝は開幕初日が良馬場スタートだったが、5Rからやや重に悪化。翌日のメイン・京成杯AHは良馬場に回復していたが、連覇を飾ったトロワゼトワルの勝ち時計1分33秒9は昨年より3秒6も遅かった。2週目も時計がかかり気味。先週(3週目)は土日ともに道悪だった。ちなみに昨年この開催9日間のうち芝の道悪は1日(5日目、重馬場)だけ。緩いコンディションの芝で開催が進めば傷むのは早そう。例年なら1分7秒台前半の持ち時計を求められるが、今年は気にする必要なし。グランアレグリアは唯一の1200メートル戦だった2走前の高松宮記念2着が重馬場で1分8秒7。エイティーンガールは持ち時計が1分7秒8、メイショウグロッケやライトオンキューは1分8秒1だから昨年(勝ち時計1分7秒1)のような高速決着を避けられるのなら大歓迎だ。

 脚質をチェックするとハナを切ったメンバーは2着があっても逃げ切りとなると至難の業。10年は先行争いに巻き込まれながら4角先頭のウルトラファンタジーが押し切ったが、好位につけたメンバーは苦戦している。11年以降の勝ち馬9頭は全て4角5~10番手の位置取り。中団追走からの差しが利く。時計がかかる走りづらい芝なら、より先行勢は直線きつくなるイメージ。ただ、直線が短く後方から一気の追い込みは決まらない。

 結論 14年以降、牡馬が1~3着を独占した年は一度もない。そのうち14、15、17年は牝馬2頭が馬券圏内へ。昨年暮れの有馬記念はリスグラシューが快勝、今年の春はラッキーライラックやクロノジェネシスが活躍するなど牝馬優勢の流れが続く。そこで4歳牝馬2頭軸で勝負したい。安田記念の覇者グランアレグリアは休み明け不問。もう1頭はキーンランドCの覇者エイティーンガールを指名する。両馬とも差し脚質なのも好材料だ。相手はセントウルS上位3頭ダノンスマッシュ、メイショウグロッケ、ミスターメロディに、キーンランドC組ライトオンキュー、ダイアトニック、あと北九州記念組はG1実績を評価してモズスーパーフレアをチョイス。この6頭でいく。

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