【秋華賞】打倒デアリング!23歳坂井導くパラスアテナ
2020年10月15日 05:30 【G1ドキュメント・美浦=14日】「自分たち若手が競馬界を引っ張っていかなければならないと強く思っています」。昨秋にインタビューした若手騎手の言葉が田井は頭から離れない。当時まだ通算100勝も挙げていなかったその男・坂井瑠星(23)は今年、ダービー初騎乗(サトノインプレッサ4着)を果たし、ジャパンダートダービー(ダノンファラオ)で交流G1初制覇。言葉にたがわぬ大車輪の活躍を見せ始めている。
秋華賞では武豊の自宅待機で鞍上が空いた紫苑S2着馬パラスアテナと初コンビを組む。この日、デビューから初めて美浦トレセンで調教に騎乗した。芝コースでの最終追いは5F65秒2~1F12秒4。ゲインスプレマシー(障害未勝利)を3馬身追いかけ、楽な手応えのまま併入に持ち込んだ。坂井は「イメージ通り。これまで乗っている武豊さんの言葉通り素直な馬でした。好位からでも後ろから末脚勝負でも力を発揮してくれそう」と好感触。人馬の初コンタクトを見守った高柳瑞師も「状態がもうひとつだった前走とは動きが全然違う」と目を細めた。
JRA・G1は12度目の挑戦だが、関東からのオファーは初。「G1の大舞台で依頼をいただけたことは素直にありがたいです」。打倒デアリングタクト。腕ぶす23歳に課せられた仕事は簡単ではないが、「強い馬が出ますがチャンスはある。パラスアテナの力を信じて良さを引き出せれば、いいレースができるはず」。次世代のトップジョッキー候補の言葉に大仕事の予感がしてきた。