【天皇賞・秋】フィエールマン打倒女王へ充電満タン

2020年10月28日 05:30

 【G1ドキュメント・美浦=27日】競走馬は2通りに大別できる。休養明けに強い鉄砲型と、レースを使われてから力を発揮する叩き良化型。「フィエールマンはレースを詰めて使うと、飛んじゃう(へこんじゃう)けど、休み明けは気にしませんよ。充電器でマックスにするのがいいタイプです」。放牧による馬体の充電をバッテリーの充電器になぞらえる手塚師。その視線の先では細身の鹿毛が白秋の風に促されるようにスピードに乗る。「10キロぐらい絞れて今は480キロぐらい。細く見えるけどその方が走るから。無駄な筋肉がつかない方がいいんです」。春の天皇賞連覇から半年の休養明けで史上3頭目の盾3勝を目指す鹿毛に頼もしげな視線を向けた。

 デビュー戦以降のG13勝を含めた4勝は全て休養明け。傍らで成績表をめくる梅崎に師は「ぎりぎり間に合った今春の天皇賞よりも状態は上。走り方が違うもの」と続けた。災い転じて福となす。秋始動戦に予定していたオールカマーの直前に熱発。放牧による充電が功を奏したのだろう。

 3200メートルから2000メートルへ。中距離のペースを追走できるかが浮沈の鍵を握るが、「広い東京なら距離短縮にも対応できるのではないか」と手塚師。コントレイルで3冠を達成した初コンビの福永も「イメージしていた以上にハミ掛かりが良かった」と1週前追い切りの感触を報告した。ハミ掛かりの良さとは言い換えれば中距離にも対応できる反応の早さ。「アーモンドアイを前にして春秋連覇なんて…。あくまでチャレンジャーです」と師は締めくくったが…。競走馬は2通りに大別できる。女王を負かせる武器があるとすれば、鉄砲かもしれない。

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