【マイルCS】インディチャンプとアウィルアウェイ“兄妹の絆” 短距離の鬼退治へ全集中!!

2020年11月18日 05:30

<マイルCS>連覇に燃えるインディチャンプ

 史上最強クラスのメンバーがそろう「第37回マイルCS」は話題満載の好カード。この秋の新企画「G1テーマパーク」は兄インディチャンプ、妹アウィルアウェイのきょうだい対決に注目だ。もちろん2頭で戦うわけではない。向けられるホコ先が違う。兄妹で主役級を負かしにいくイメージ。兄は連覇を狙う昨年の覇者、妹はスプリンターズSで3着に食い込み、G1でも通用する力を見せた。共に戴冠の可能性あり。待ってろグランアレグリア。いざ出陣!

 「鬼滅の刃」が人気を集める理由のひとつに兄・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)と妹・禰豆子(ねずこ)の兄妹愛が挙げられる。いつも寝てばかりの禰豆子でも、時には額に血管を浮き立たせて鬼と戦うのだ。

 今年のマイルCSは鬼滅ばりに戦う兄妹に熱視線。そう、昨年覇者のインディチャンプとスプリンターズS3着をステップにここに挑戦状を叩きつけるアウィルアウェイは同じ母ウィルパワーのひとつ違いの兄と妹。きょうだいなのだ。

 対する鬼は、もちろんグランアレグリア。アーモンドアイを完封した安田記念。そして剛脚で全馬なで斬りにした前走のスプリンターズSがまさに鬼のような強さ。鞍上も鬼のように絶好調のルメール。これは強敵だ。

 昨年の覇者ながら評価は3番手以下となっているインディチャンプ。音無師が自嘲気味に漏らした。

 「グランアレグリアが本命で対抗がサリオスだろ?オレが新聞記者でも、そう印を打つわ。うちのは叩き2走目の方がいいってレッテルを貼られているからな」

 今回は前哨戦としたスプリンターズSを見送る誤算があり、安田記念から、ぶっつけでの参戦になる。

 が、何やら指揮官は自信ありげだった。確かに叩き2走目に強いイメージ。しかし昨秋にしてもマイルCSの前哨戦とした毎日王冠(3着)は久々ではなく、距離に敗因が求められる。久々は苦にならないと言うのだ。

 坂路だけでなくCWコース併用で攻め込まれた調教過程からも久々の不安は皆無。きょうの最終追いをとくとご覧あれだ。

 対する妹アウィルアウェイはどうか。牡馬相手のマイルG1挑戦に勝算はあるのか?心配をよそに高野師は意欲的だった。

 「ここはチャレンジですね。スプリンターズSで3着に来たことで大舞台でも戦える能力を確認できました。マイルは去年の桜花賞(10着)以来になるけど、やってみないと分からない。能力的には十分やれると思っています」

 半兄がマイルG1・2勝、父が14年安田記念を単勝1・7倍で快勝したジャスタウェイなら2ハロンの距離延長は不問。マイルが合わないはずがない。打倒グランアレグリアに燃える兄妹の強烈な一撃があるか。全集中!! (特別取材班)

 ≪Vなら26年ぶり!!≫グレード制が導入された84年以降、G1でのきょうだい対決は過去23例あった。父が違う「半きょうだい」がほとんどで唯一、18年マイルCSのミッキーグローリー&カツジが父も同じ「全きょうだい」だった。94年ジャパンCは弟マーベラスクラウンが勝ち、米国から遠征してきた兄グランドフロティラが8着。今週、兄インディチャンプと妹アウィルアウェイのどちらかが勝てば26年ぶり2頭目のG1きょうだい対決Vとなる。

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