【東京大賞典】オメガパフューム、史上初の3連覇!直線激しい叩き合い制し辛勝

2020年12月30日 05:30

レースを制したオメガパフューム(右)。左は2着のカジノフォンテン(撮影・郡司 修)

 またまた偉業が成し遂げられた。20年ラストのG1「第66回東京大賞典」が29日、TCK(大井競馬場)で行われ、圧倒的1番人気のオメガパフューム(牡5=JRA・安田翔)が差し切りV。同レース史上初の3連覇を達成した。鞍上のミルコ・デムーロ(41)も同レース初の3年連続V。さまざまな記録が生まれた2020年。最後も快挙で締めくくられた。

 検量室前に戻ってくると、馬上で「ヨッシャー」と両手でガッツポーズ。オメガパフュームの手綱をとったM・デムーロには昨年、一昨年とはひと味違う喜びがあった。「3回勝つことはとっても難しい。とってもうれしいですね。大井コースとの相性もいいと思います」と笑顔ながらも涙を拭うしぐさを見せた。

 クリソベリルもチュウワウィザードも不在。圧倒的な人気で圧勝かと思われたが、終わってみれば首差の辛勝。道中は先行集団後ろから。手応え良く直線を迎え外からじわじわ伸びたが、先行カジノフォンテンも前でしぶとく粘る。2頭による激しい叩き合いとなったが、ゴール前でパフュームが抜け出し、真っ先にゴール板を駆け抜けた。「負けられなかった。展開も厳しくて、早めに先頭に立ったら物見をするので難しかった。少し併せにいって、差し切れるのを待っていました。結構プレッシャーがかかっていました」とM・デムーロ。主戦を務め、馬を熟知している鞍上だからできる騎乗でもぎ取ったものだった。「みなさん飛行機できなくてごめんなさい」とちゃめっ気たっぷり。接戦だっただけに、以前には注意されたゴール後に手綱を離す“お得意ポーズ”を見せる余裕もなかった。

 鞍上の笑顔と涙のわけは3連覇の偉業だけではなかった。「いつも熱い応援をしてくれるが、今月は0勝だったから心配していた。最後のG1で勝つことができて、うれしい。いつもありがとうございます」。ファンへ感謝を伝えた。11月29日の東京4Rで勝利を挙げて以来30連敗。その間G1でも6度の騎乗も、阪神JF(ユーバーレーベン)の3着が最高と不完全燃焼。最後の最後に意地を見せた。

 「3連覇し、さらにこの馬にキャリアを伴わせてあげないといけないなと思います」と安田翔師。今後は川崎記念(1月27日)などが視野に入る。年が明ければ6歳も「年を重ねるごとにレースが上手になっている」(師)と、まだ伸びしろもある。東京大賞典の歴史に名を刻んだ名コンビ。21年もタイトルを積み重ねていく。

 ◆オメガパフューム 父スウェプトオーヴァーボード 母オメガフレグランス(母の父ゴールドアリュール) 牡5歳 栗東・安田翔伍厩舎 馬主・原禮子氏 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績19戦9勝(南関東8戦4勝) 総獲得賞金5億5491万4000円 重賞は20年平安S以来6勝目。

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