【東海S】オーヴェルニュ 3連勝で初重賞V!鞍上・川田は16年連続JRA重賞制覇

2021年1月25日 05:30

東海Sを制した川田騎乗のオーヴェルニュ(撮影・椎名 航)

 交流G1、G2を9連勝した父スマートファルコンを思わせる。オーヴェルニュが3連勝で初重賞を手にした。1000メートル通過が59秒3のハイペース。どの馬も必死の表情の中、この馬だけが涼しい顔だった。「流れが速かったので手応え良く追走できました。我慢するより進んで行く方が楽だと思い、先のことを考えず勝ちにいく競馬をしたら、あの形になりました」。1馬身3/4差、完勝。1分49秒2は東海S史上、最速。川田の言葉から能力の高さが伝わった。

 20年五条坂特別(1着)以来、7戦ぶりのコンビ。確かな成長を感じ取った。「元々、能力は高かった。コントロールが難しいのでクラスが上がった方がレースはしやすくなると思っていた」。川田は今年、なかなか波に乗れず、この勝利が今年のJRA2勝目。昨年の同時期は19勝していた。だが、06年から16年連続JRA重賞制覇となった、このG2制覇でベクトルは急上昇するはずだ。

 西村師は作戦勝ちを強調した。「行く馬を見ながら2~3番手からの競馬がいいと話していた。思い通りのレースができた」。馬自身の成長にも言及した。「足踏みをした時期もあったが馬体が減らなくなったことが大きい。力をつけている」。スマートファルコン譲りの成長力で父にJRA重賞初勝利をプレゼントした。

 これで堂々とフェブラリーS(2月21日、東京)の優先出走権を手にした。師は「ワンターンのコースがどうか。この後は(杉山忠国)オーナーと相談して決めます」と慎重に語ったが、出れば上位争いは必至だ。父がかなわなかったJRAG1制覇へ。孝行息子への期待は大きい。

 ◆オーヴェルニュ 父スマートファルコン 母ギュイエンヌ(母の父タニノギムレット)16年5月8日生まれ 牡5歳 栗東・西村厩舎所属 馬主・杉山忠国氏 生産者・北海道新ひだか町の明治牧場 戦績19戦7勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億6517万9000円。馬名の由来はフランス中南部の地方名。

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