【フェブラリーS】レッドルゼル 初マイル克服へ!雪舞う坂路で4F52秒7 安田隆師は出来に太鼓判
2021年2月18日 05:30 初マイル克服で頂点へ。JRAのG1開幕戦となる「第38回フェブラリーS」は主役不在の大混戦だが、話題性ではレッドルゼルが一番だ。17日、栗東トレセン坂路での最終追い切りはスムーズな加速ラップを刻み、時計以上のインパクト。同じく安田隆行調教師(67)が管理した父ロードカナロアの産駒としては初となる、JRAダートG1制覇を目指す。18日に出走馬が決まり、枠順は19日に確定する。
派手さはなくとも、出来の良さはヒシヒシと伝わってきた。根岸Sで重賞初制覇を果たしたレッドルゼルの最終追いは、強風に雪が舞い、視界が悪くなった坂路。最初の1Fを14秒2とゆったり入って、徐々に加速。ラストはしっかり伸びて、4F52秒7~1F12秒3をマークした。以前は調教で行きたがるシーンが目についたが、この日はタメが利いてキレイな加速ラップ。安田隆師は出来に太鼓判を押した。
「馬が気分良く、そしてオーバーペースにならないように指示しました。いい形で、気分良く走っているように見えましたね」
これまではゆったりとしたローテーションを組まれてきたが、今回は3歳4月の端午S(7着)以来、2回目の中2週となった。この中間の速い時計は1週前の週末、そしてこの日の2本のみ。同じ根岸S組の中では少ない方だが、これは安田隆厩舎が中2週で出走する時のルーティンだから、何ら心配はいらない。最大のポイントである初のマイルに対して「この馬にとっての1F延長は、万里の長城ぐらい長いですよ」と口にしたが、これはトレーナーが得意とするジョーク。もちろん、距離対策は講じられている。
「中間は馬に焦らさず、そして引っ掛からず競馬ができるように、という調整をしてきました。前走はジョッキー(川田)が1600メートルを意識した競馬を試みて、完璧に乗ってくれています。正直なところは分からないけど、いけるかも…とは思っています」
根岸Sはロードカナロア産駒として初となるJRAのダート重賞制覇だった。父を手がけたトレーナーは「凄くうれしかったし、今度はダートG1を安田厩舎で勝ちたいです」と意欲を隠さない。鞍上は愛弟子の川田。勝てば安田隆師にとってトレーナー別の最多記録を更新するJRAダートG1・6勝目で、忘れられない1勝となるに違いない。
≪5歳時安田記念を制した父に続けるか≫97年にフェブラリーSがG1に昇格以降、1600メートル以上が未経験だった馬の参戦は、藤田菜七子とのコンビが話題となった19年のコパノキッキングの1頭のみ。コパノは最後方で折り合いに専念。直線で大外から脚を伸ばしたものの、勝ったインティから1秒差の5着だった。なお、レッドルゼルの父ロードカナロアはデビュー2戦目のジュニアCで初めてマイルを走ってデルマドゥルガーから半馬身差の2着。それから2年5カ月を経て、2回目のマイル参戦となった5歳時の安田記念では距離延長が不安視されたものの、ショウナンマイティの追い上げを首差しのいで、4つ目のG1タイトルを獲得している。ルゼルは父に続けるかどうか!?