ジャングルポケット、23歳で死す 01年ダービー、JC制覇 種牡馬としてもG1馬6頭送り出す
2021年3月3日 05:30 01年ダービー、ジャパンCを勝ち、G1・2勝を挙げたジャングルポケット(牡、父トニービン)が2日、けい養先のブリーダーズスタリオンステーション(北海道日高町)で死んだ。23歳だった。昨年秋から体調を崩し、治療していたがこの日朝、力尽きた。
現役時は渡辺栄厩舎に所属し13戦5勝(重賞4勝)。2戦目の札幌3歳S(当時)で、のちのG1・3勝牝馬テイエムオーシャン(3着)などを破って初重賞制覇。アグネスタキオン(1着)、クロフネ(3着)と激突した、今や伝説のラジオたんぱ杯3歳Sで2着。皐月賞はアグネスタキオンの3着。ダービーでは皐月賞馬不在もあって1番人気となり、30歳の角田晃一騎手(現調教師)を背に外から突き抜けた。当時のオーナーは斉藤四方司氏だった。
秋は菊花賞4着の後、ジャパンCへ。オリビエ・ペリエを背に、先に抜け出したテイエムオペラオーを首差捉えた。長い直線でフル回転する末脚が武器で、東京では3戦3勝と無類の強さを誇った。G1を2勝した01年は年度代表馬と最優秀3歳牡馬を受賞した。
現役引退後は種牡馬として08年オークス馬トールポピー、同年菊花賞馬オウケンブルースリ、10年に天皇賞・春を制したジャガーメイルなど6頭のG1馬を出した。昨年をもって種牡馬は引退していた。
角田師は「ダービーを1番人気で乗るのは、なかなかないこと。しかも勝たせてくれて凄く思い出深い。師匠の渡辺栄先生とダービーを獲れたのが何よりだった。安らかに眠ってほしい。私自身はまた、ジャングルポケットのような馬を育てられるよう頑張りたい」と、その死を惜しんだ。
◆ジャングルポケット 父トニービン 母ダンスチャーマー(母の父ヌレイエフ)牡23歳 栗東・渡辺厩舎所属 馬主・吉田勝己氏 生産者・北海道早来町のノーザンファーム 戦績13戦5勝 総獲得賞金7億425万8000円(付加賞含む)。
▼お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二 自分たちのトリオ名は馬からでした。現役時代だけではなく種牡馬としても活躍した名馬。勝手に自分たちで親近感を持ってました。ゆっくり休んでください。本当にお疲れさまでした。TVに出続けてジャンポケをもっと有名にします。(ツイッターから)
▼サラブレッドブリーダーズクラブ事務局・遠藤幹氏 昨年の秋から体調を崩し、治療に当たっていましたが、残念ながら力尽きました。昨年暮れに種牡馬を引退し、現場スタッフからも可愛がられていたので、もう少し長生きしてほしかった…というのが正直な気持ちです。