【阪神大賞典】ゴースト 単走馬なりで好時計12秒2 晩成5歳ハーツ産駒が“大化け予報”
2021年3月19日 05:30 「第69回阪神大賞典」の最終デモでは、ハーツクライ産駒のゴースト(セン5=橋口)がCWコースで好時計をマークした。
灰色がかった大きなシルエット。その名にふさわしいフォルムをまとったゴーストが、CWコースをサーッと駆け抜けた。単走で全くの馬なりながら、6F81秒1~1F12秒2の好時計。2週連続で騎乗した鮫島駿は好感触を口にした。
「先週はいくらか重い感じだったけど、今週は素軽くなっていましたよ」
ハーツクライ産駒らしく4歳夏から軌道に乗った。2勝クラス、3勝クラスと連勝。昇級戦、かつ初の3000メートルとなった前走の万葉Sで連勝はストップしたが、メンバー中2位タイの上がり3F35秒6を刻み、0秒6差の5着まで押し上げた。鮫島駿も決して悲観していない。
「返し馬から力んで、スムーズなレースができませんでした。凄くスタミナがあると感じるし、うまくコントロールできれば3000メートルは合う」
ステイヤーとしての非凡な資質を感じたからこそ、春は長距離路線の王道を選択。そこに迷いはない。
確かにこのメンバーでは実績で見劣るが、父の血でカバーできる。ハーツクライ産駒は長距離戦に強く、芝3000メートル以上の重賞では【6・14・6・49】の複勝率35%。ディープインパクト産駒と五分に戦っている。阪神大賞典も12年にギュスターヴクライ、16年にシュヴァルグランで制するなど、【2・4・0・8】の好成績。16年から19年まで4年連続で連対した実績もある。ハーツを手掛けた橋口弘次郎元調教師の長男・慎介師は、ゆかりの血統の有望株に期待を寄せる。
「ゆったりとしたフットワークなんかは、やはりハーツクライ産駒だなと感じますね。相手は強くなるけど、距離はあればあるほどいいタイプ。道悪も得意な方だと思いますよ」
距離こそ違えど、阪神芝は3戦2勝と相性がいい。そして先週に続き、今週も週末は雨予報。雨雲に覆われた仁川、何やらゴーストの出番がありそうだ。