【大阪杯】吉田隼 ワグネリアンと感謝駆け「さらに状態が上がってくれば」

2021年4月2日 05:30

吉田隼人(撮影・亀井 直樹)

 関東ジョッキーながら今や栗東でも、すっかりおなじみの存在だ。デビュー18年目の吉田隼は18年秋に美浦から拠点を移した。昨年91勝でキャリアハイ(それまでは17年の81勝)を更新。そのうち77勝を関西馬で挙げている。ひたむきに調教にまたがり、馬づくりに励む姿勢が厩舎との信頼関係を築き上げた。

 「あの当時(拠点を移した頃)は何かを変えなくてはいけないと思っていました。別の環境に移すことで少しでも変化があれば、と思って挑戦しました」

 昨年は惜しくも3勝差で関東リーディング首位(横山武が94勝)を逃した。今年こそ。その思いは年明け早々、結果として表れた。19勝で冬の小倉リーディングを獲得。ハタから見れば胸を張れる結果でも本人は満足することなく「全然良くなかった。週ごとに変化する馬場も難しくて…。たくさんいい馬に乗せていただいたので、もっと結果を出したかった」と反省し、前を向き続ける。現在JRA通算986勝。いよいよ大台が迫ってきた。「大きなケガもなく、たくさんいい馬に乗せてもらった結果だと思います」。一鞍一鞍、パートナーの力を引き出すのに全精力を注ぐ。

 大阪杯は18年ダービー馬ワグネリアンの依頼を受けた。3週続けて調教に騎乗。時間をかけ、丁寧にコンタクトを取ってきた。前日の最終追い切りはCWコースでヨーホーレイク(3歳オープン)とビッシリ併せ、6F79秒5(1F12秒4)と好時計をマーク。

 「追い切るごとに行きっぷりが良くなっています。本番に向けて、さらに状態が上がってくれば」

 来週、桜花賞は昨年2歳女王の白毛馬ソダシで参戦。ワグネリアンと同じ金子真人ホールディングス㈱の所有馬だ。さらに再来週の皐月賞は朝日杯FS2着ステラヴェローチェとの初コンビが決まった。「G1の騎乗依頼が増えて、ありがたいです」。感謝の気持ちを胸に大舞台に臨む。

 ◆吉田 隼人(よしだ・はやと)1983年(昭58)12月20日生まれ、茨城県出身の37歳。兄は同じくJRA騎手の吉田豊。兄に憧れ、小5で乗馬を始める。04年3月に堀井厩舎所属で騎手デビュー。15年有馬記念をゴールドアクターで制し、デビュー12年目でG1初制覇を飾った。JRA通算1万1812戦986勝、うちG1・2勝を含むJRA重賞20勝。1メートル60、48キロ。血液型O。

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